東伊豆町の熱川温泉で「提灯(ちょうちん)回廊」を常設整備するプロジェクトが始動し、12月26日からクラウドファンディングでの支援募集が始まった 。同日には、台湾・九フンとの交流の歩みを紹介する「友好交流ギャラリー」が伊豆急行・伊豆熱川駅構内にオープンした。
同地区では2024年4月から、地元の観光事業者などから成る「『熱川に、九フンが灯る。』まちづくり協議会」の主導で、赤いちょうちんで湯煙の上がるレトロな夜の温泉街を照らす「熱川台湾提灯プロジェクト」に取り組んでいる。通年点灯するちょうちんの見物や、台湾グルメや地元グルメの屋台が集まる月1回の「熱川湯けむり夜市」などを目当てに、同エリアでは特に夜の観光が盛り上がりを見せている。今年10月には、同協議会と九フン商圈発展協会が友好協定を締結し、熱川の提灯プロジェクトは本場・九フンの正式な「お墨付き」を得た。
新たに立ち上げた今回のプロジェクトは、台湾の有名観光地・九フンと熱川温泉が、提灯を象徴とした文化・観光交流を通じて築いてきた友好関係を、まちの日常風景として根付かせることを目的として、「花はなぱぁ~く」の提灯回廊を常設化させようとするもの。これまで温泉街中心部の「花はなぱぁ~く」では仮設の提灯回廊によるイベントを行ってきたが、設置・撤去の負担や安全面が課題となっていた 。目標金額200万円とするクラウドファンディングでも支援を募りながら、回廊の常設設置やフレーム工事、装飾整備などを計画している 。
同日10時30分には、伊豆熱川駅構内に「友好交流ギャラリー」がオープン。熱川と九フンの交流の歩みを写真やパネル、記念品の展示で紹介する常設施設で、フォトスポットも用意して、観光客や住民が気軽に立ち寄れる情報発信の拠点を目指す 。
同協議会では「提灯回廊の常設化により、日常的に『夜歩きが楽しい温泉街』を実現し、宿泊客の満足度向上や再訪につなげたい」としている 。2026年3月21日には、常設化した回廊のお披露目も兼ねた連動イベント「熱川花燈夜市」を予定している 。
同協議会で副会長を務める、熱川バナナワニ園の神山浩子園長は「クラウドファンディングの実施にあたって、九フンからもたくさんの応援メッセージが届き、これまで熱川で積み重ねてきた挑戦や交流が、国境を越えて確かな絆として届いていたのだと実感している」と話し、「今回の取り組みを通して、熱川を心から応援してくださるファンを一人でも増やしていきたい。必ず成功させたいという強い思いで取り組んでいるので、ぜひ多くの皆さまにご協力いただけたら」と呼びかける。
※九フンの「フン」は正しくは「にんべんに分」