
西伊豆町は10月1日、伊豆漁業協同組合(西伊豆町仁科・田子・安良里)、西伊豆町観光協会、ウミゴー(西伊豆町宇久須)、日本さかな専門学校(神奈川県三浦市)、西伊豆産地直売企業組合、日本釣振興会静岡県支部の計8者と「西伊豆町海業地域づくり推進連携協定」を締結した。
同協定は、漁港を観光や教育の拠点として活用し、地域経済の活性化と海業(うみぎょう)の推進を図ることを目的としたもの。補助金や外部リソースを活用しながら「町内漁港の利活用と安全・利便性向上」「釣りを核とした体験観光の拡充」「地域住民や観光客を巻き込んだ釣り文化・マナー啓発」「教育現場と連携した海業学習・人材育成」「漁港周辺の観光地化による交流人口・関係人口の拡大」などの活動を進める。
同町ではこれまで、2020年に仁科漁港の産地直売所「はんばた市場」を整備したのを皮切りに、釣った魚を地域通貨と交換する「ツッテ西伊豆」、漁港をDXで有料釣り場化する「海釣りGO」、釣り人漁師の移住を推進する「西伊豆&ANGLER」など、全国に先駆けて海業振興に取り組んできた。今では「海業先進地」として注目を集め、全国から多くの視察を受け入れているという。
星野淨晋町長は「9者による連携協定を結ぶことにより、こうした取り組みをさらに発展させる強固な体制が整う。今後は各団体の力を束ね、当町を全国に誇れる『海業先進地』として発信していきたい」と話す。
伊豆漁協仁科支所・支所運営委員長の山田雅志さんは「堂ヶ島をはじめとする西伊豆観光の中心地に近い仁科地区は飲食や宿泊の事業者も多く、海業の経済波及効果が大いに期待される。協定を契機に、地域ぐるみで漁港を生かした取り組みをさらに発展させていきたい」と意欲を見せる。
10月にウミゴーと共同で開催予定の「西伊豆釣り大会」の企画・運営にも取り組む日本さかな専門学校・松山英一校長は「協定を締結することで、保護者にも改めて西伊豆町のことを詳しく知ってもらう良い機会。学生にとっては、外部の人と接するということが本当に貴重な経験になると捉えている」と話した。
同町では今後、町内3漁港を会場とする「西伊豆釣り大会」を10月に開催するほか、「海釣りGO」を安良里漁港にも導入していく予定だという。