
下田を舞台に繰り広げられる「第86回黒船祭」が5月17日、開催2日目を迎えた。あいにくの雨により記念式典の会場変更や公式パレードの中止など、プログラムに大幅な変更が生じたが、街なかは屋台グルメや大道芸などのストリートパフォーマンスを楽しむ人々でにぎわった。
「ご当地キャラクター大集合」には雨がっぱを着たキャラクターたちが集まった(関連画像17枚)
18日未明から本降りとなった雨を受け、当初は下田公園で開催予定だった記念式典は、午前6時ごろに下田市民文化会館への会場変更を決定。その後も雨が降り続いたため、10時30分ごろには、米海軍音楽隊や海上自衛隊横須賀音楽隊などが演奏を予定していた「公式パレード」のほか、了仙寺での「下田芸者による踊りの披露」、市民文化会館駐車場での「皆で踊ろう黒船音頭」や「豆州白浜太鼓」などの催しの中止が発表された。
悪天候の中、街なかで開催された「開国市」や下田八幡神社の「露天広場」には多くの店が並び、飲食物や土産物を買い求める来場者でにぎわいを見せた。下田八幡神社の社務所にはアパレルブランド「IZU BLUE」が出店し、黒船祭限定のブラックTシャツを求めて訪れる人の姿が絶えなかった。
市内各所では、大道芸やバルーンアート、地元有志によるバンド演奏なども行われ、パフォーマーを囲んで熱心に見入る子どもたちの姿があちこちで見られた。
当初は了仙寺の屋外ステージで開催予定だった『再現劇「日米下田条約調印」』は、会場を本堂に変更して上演。海外からの観光客の姿も多く見られ、入りきれないほどの来場者が詰めかける中、条約締結に至る日米の外交交渉や、下田での交流の様子がコミカルに再現され、会場には笑い声が響いた。
引き続き了仙寺本堂では、今回で17回目となる黒船祭恒例の「きもののファッションショー」が開かれた。この日のために1年かけて準備をしている常連出演者や、日本文化を愛する外国人、0歳の時から出演を続けている9歳の三つ子などが、自慢の着物ファッションを披露した。ショーの後、再び『再現劇「日米下田条約調印」』の出演メンバーが登場。サプライズでのバンド演奏に、会場が大いに沸いた。
下田郵便局隣に設けられた「KIZUNA広場」にも多数の屋台が並び、広場奥のステージでは昼ごろからさまざまなアーティストが代わる代わる出演し、パフォーマンスを披露した。静岡県内を拠点に活動する女性ボーカルグループ「オレンチェ」のステージでは、傘を差しながら最前列で声援を送るファンの姿も見られた。「ご当地キャラクター大集合」の時間には、黒船祭に駆けつけた日本各地のキャラクターたちが、雨がっぱを着てステージ前に集まった。
黒船祭は18日まで。