アジアサーフィンチャンピオンシップ・アンダー18女子の部でセカンドプレイス(2位)に入賞した下田中学校3年の馬場心(こころ)さんが9月2日、松木正一郎下田市長への表敬訪問のため下田市役所・河内庁舎を訪れた。
8月8日にモルディブで開かれた同大会には、21の国と地域から約100人の選手が参加。馬場さんが出場したアンダー18女子の部では、国としては日本が優勝。同じく男子の部では日本が準優勝にランクインし、2026年に愛知県で開催されるアジアオリンピックへの出場権をそれぞれ獲得した。
馬場さんは清水町出身。小学生の時に父親の影響でサーフィンを始め、主に下田の白浜海岸や多々戸浜を週末に訪れては練習を重ねた。NSA(日本サーフィン連盟)の国内大会では白浜以外に宮崎・茨城・高知を訪れ、プライベートでは強化練習の目的でハワイやパリでも鍛練した。
そうしたキャリアや成果が認められ、中学2年の時には五輪強化指定選手並びに波乗りジャパンのメンバーに選出された。それを機会に母親と共に下田市へ移住し、下田中学校に通いながら毎夕、下田のビーチで練習に励んできた。「海を求めて下田へ来て本当に良かった」と振り返る。
馬場さんから入賞の報告を受けた松木市長は、銀メダルに触れたり大会時の様子を動画で鑑賞したりするなどしながら歓談した。市長は「海のおかげで下田には黒船が訪れ、各国の人や物が行き交った歴史がある。現在のスポーツという観点では、酒井厚志さん(アジアサーフィン連盟理事長)や大野修聖さん(パリ五輪日本代表ヘッドコーチ)が生まれ育った地であり、下田をサーフィンやライフセービングの聖地にしていきたい」と話した。さらに「聖地にはレジェンドとなる人物が必要。馬場さんがどんどんランクを上げていってくれたら、私たちも市民もみんなうれしい」と激励の言葉を送った。
松木市長への報告を終え、馬場さんはサーフィン愛好家やこれから始めてみたい人たちに向けて「下田の人々に支えられ、美しいビーチで自然に触れながらライディングできる環境を多くの人に知ってほしい」と呼びかけた。