地域に伝わる盆踊りの継承などを目的とする盆踊り大会「河津総踊り2024 みんなでみんなの盆踊り」が8月3日、河津桜観光交流館(河津町笹原)駐車場で初めて開かれた。
発案したのは、2016(平成28)年に東京から移住し、現在は町議会議員を務める北島正男さん。人口減少や高齢化、コロナ禍などの影響でさまざまな町民イベントが途絶えつつある現状に「このままではいけない。何か復活させるものをつくらねば」と企画した。
町民自らの手で運営することを大切にしたいと「みんなでみんなの盆踊り」と名付け、役場をはじめ教育委員会、観光協会、商工会、社会福祉協議会、町議会の6団体に声をかけ、実行委員会を組織した。
当日は実行委員長である北島さんが「今夜は皆さんが主役。楽しみましょう」と宣言し17時に開幕。岸重宏河津町長は「コロナ禍以降、町のイベントが少なくなってしまったが、これを契機に町を盛り上げていきたい」とあいさつ。
続いて、地域伝統芸能「鳥酒精進太鼓」が披露され、雰囲気が盛り上がったところで盆踊りがスタート。櫓(やぐら)を中心に踊りの輪ができ、「河津総踊り」「河津囃子(ばやし)」などの楽曲に合わせて、踊れる人から踊り始めた。次第に輪に加わる人が増え、踊れない人も見よう見まねで踊りを楽しんだ。暗くなるにつれ参加者は増え、部活帰りの高校生なども踊りに加わり、いつしか踊りの輪は二重になっていた。
当日は露店も並んだ。「町民自ら」にこだわり、プロの露天商ではなく、町の団体や事業者などから出店を募った。町議会議員や商工会青年部は、スーパーボールすくいや射的など、昔ながらの遊びの露店を出店。河津唯一のハンバーガー店「キャッスルクブルス」(峰)や屋台ラーメン「よや」のほか、「イイダジュース」(田中)は河津産デコポンやニューサマーオレンジの生搾りジュースを販売し、町民らが列をつくった。
来場者からは「楽しい。来年もぜひやってほしい」「久しぶりに会える人もいて良かった」などの声が聞かれた。
北島さんは「予想以上の来場者で、主催者側の把握では約750人。目指していた通り、老若男女いろいろな人が楽しんでくれた。多くの人が河津町に伝わる盆踊りを踊ってくれて、存在の認知と継承の目的が果たせた」と手応えを話し、「来年以降も少しずつ充実させて、前年よりさらに楽しいと言ってもらえるように継続したい」と意欲を見せる。