伊豆急下田駅から徒歩12分の場所に、シェアハウス・コワーキングスペース併設施設として「昭和湯」の隣に3月にオープンした「TONARU(となる)」(下田市三丁目)が開業して9月20日で半年を迎えた。シェアハウスを利用する移住者の中からは、市内で新たに起業する人も現れている。
同施設を所有するのは、下田市と地域活性化連携協定を締結しているLIFULL。同社は不動産事業を主軸としながら日本各地での地方創生事業にも取り組み、下田市では短期滞在者向け施設の「Living Anywhere Commons(LAC)」の運営や、地域の人に焦点を当てたウェブメディア「WITH SHIMODA」での情報発信などに取り組んでいる。
同社地方創生推進部の後藤大夢さんは「LACを利用して下田に興味を持った人が移住に進む次のステップとして、コストやリスクを抑えながら事業に取り組める場所が必要と考えた」と話す。そのためTONARUではコワーキングスペースの一角を「小商いスペース」と名付け、小規模な店や教室として利用できるよう整えた。
施設運営は、東京・神奈川で4つシェアハウスを展開するシェアリアルが担う。同社の篠崎宏介さんは「TONARUの名前には『隣』と『~と成る』の2つの意味を込めた。地域の人には『お隣さん』として気軽に訪れてほしい。住む人が何かに『成る』場所としてサポートしていきたい」と話す。
1階は、中央の大きなセンターテーブルを囲むように、リビング・コワーキングスペース・キッチン・小商いスペースを展開する。各スペースの高さを変えて利用者同士の目線が合わないようにすることで、一体感を醸成しながらも適度な距離感を保てるよう工夫を施す。2階は和室2部屋・洋室3部屋、全5室のシェアハウスになっている。
「居住者の中からは、市内で店を開く人も現れている」と篠崎さん。「今は東京から遠隔で管理しているが、本当に地域に根ざす施設とするため、ゆくゆくは下田に住む人に運営を任せたい。興味のある人は気軽に連絡してほしい」とも。
シェアハウスの賃料は月額3万8,000円~、共益費は月額1万2,000円。コワーキングスペース利用料は月額3,300円。