イタリアンのテイクアウト専門店「バジル」(河津町峰)がオープンして、5月3日で3カ月がたった。
小さなウッドデッキとグリーンの壁が印象的な店舗外観(関連画像10枚)
店主の鈴木由美子さんは静岡市出身。料理人だった父の影響で10代から包丁を持ち、20代前半から調理の仕事に従事して以来、20年近くホールや厨房で働いてきた。静岡市ではいろいろな店も食べ歩いた。「食べることが好き。刺激をもらえ、気分転換にもなる外食は特に好き」と話す。
2020年にパートナーの鈴木利雄さんと知り合い、2年後に結婚。利雄さんが建築業を営む河津町への移住を決め、同時に念願だった飲食店の開業を決心した。店名はハーブの香りが好きで料理にも多用していることから、イタリア料理には欠かせないハーブ「バジル」の名を付けた。
店舗は利雄さんの事務所の横に併設。施工は利雄さんが担当した。新しい住まいのリノベーションも重なり、当時は意見がぶつかることも多かったという。「もともとプレハブの建屋をキッチンに改修した。根本的に構造を改善しなくてはならず、作業は困難を極めた」と利雄さんは振り返る。
2人で話し合いながら作り上げた店舗の中には、由美子さんが一人でちょうど調理しやすい広さのキッチンを完備。外にはこぢんまりしたウッドデッキを備え、注文客の待ちスペースとしている。店は国道14号から入ってすぐの立地で、近くにホームセンターがあり、周囲にはぐるりと河津の山の風景が広がる。
メニューは全てテイクアウト販売する。一番人気の生パスタは、野菜やチーズを豊富に使う「アマトリチャーナ」、オリーブとアンチョビを使った「プッタネスカ」、静岡市用宗産のしらすを使った「ペペロンチーノ」(以上900円)など。ピザは「マルゲリータ」「しらすとアンチョビ」「5種のチーズ」(以上700円)などをそろえる。ハンバーグやオムライス(以上900円~)もメニューに並べる。
オープンしたのは「河津桜まつり」最中の2月3日。当初は祭への来場客でにぎわったが、4月に入ってからは人出が落ち着き、その落差に戸惑うこともあったと言う。一方で利用客からの声を受けて「バジル弁当」を開発したり、利雄さんを介して大口の注文が入ったりするなど、手応えを感じながら次の展開を模索している。
「イノシシ肉やワサビなど、地元の素材も積極的に取り入れていきたい。いずれは夜も営業して、イートインでサングリアなどのお酒も飲める店にしたい」と由美子さんは意気込む。
販売は完全予約制。当日の予約は10時まで。受け取り時間は11時~15時。予約は電話(TEL 090-1789-8535)とインスタグラムのDMで受け付ける。駐車場3台。