伊豆急行線「蓮台寺」駅のネーミングライツスポンサー契約を締結した伊豆急行(伊東市八幡野)と上原美術館(下田市宇土金)が4月2日、同駅でセレモニーを開き、関係者や来賓として招かれた松木正一郎下田市長らが参加した。
今回のネーミングライツ契約では、上原美術館が副駅名の命名権を取得。蓮台寺駅の副駅名を「美と出会う。伊豆」と名付けた。同副駅名は2026年3月31日までの2年間継続する。
同館の最寄り駅は一つ隣りの稲梓駅だが、4月末から移転が始まる下田市庁舎の最寄りであることから人出を見込み、より高い認知度と経済効果を考慮して蓮台寺駅のネーミングライツを取得した。コロナ禍の影響もあり無人駅となっていた蓮台寺駅だったが、2022年から地元の若手事業者に駅舎を貸し出すことでコーヒーや自然食品を販売するスポットとなり、鉄道利用客以外も集う場所になった実績がある。
同館代表理事の大平明さんは「『美』は当館のことを指すのはもちろん、伊豆の深い自然の美しさも同時に表している」と説明。「昔からの温泉地である蓮台寺の里山の自然の中で、東西から集められた美術品に出合い、伊豆の旅を一層豊かなものにしてほしい。地域に根ざす美術館になれたら」とも。
伊豆急行の土方健司社長は「駅は町の顔であり、玄関口のようなもの。鉄道としての機能以上の駅の可能性を探りながら地域を盛り上げていけたら」と話す。
伊豆急行でのネーミングライツ契約は今回が初の試み。今後は南伊東から伊豆急下田までの各駅の副駅名公募を始める。期間は2年間で、販売価格は22~88万円。契約者には更新時の優先交渉権のほか、契約駅構内の広告スペースの一部無償利用や、同社SNSでの情報発信サポートなどの特典を用意する。