西伊豆町の瀬浜海岸(西伊豆町仁科)で3月30日、干潮時に沖合の島まで地続きになる「トンボロ現象」のシーズンの始まりを告げる毎年恒例のイベント「堂ヶ島トンボロ開き」が開かれた。
西伊豆町の堂ヶ島エリアに位置する瀬浜海岸は、干潮時にだけ沖合い約200メートルにある島と陸との間が地続きになる「トンボロ現象」を見ることができる観光スポット。干潮時刻の前後1時間~1時間半程度の間に見ることができる現象で、日中にこの現象を確認することができるのは、例年3月~9月にかけての時期のみ。
堂ヶ島のトンボロ現象を見ることができるシーズンの始まりに合わせて毎年開催している同イベント。会場に集まった約300人の参加者たちは干潮時刻までの間、海岸に流れ着いたごみを拾うなどして海岸清掃を行った。
潮が引いて海の道が現れたことを確認すると、堂ヶ島トンボロ委員会の国本正徳さんが「トンボロ開きを宣言します」と宣言。参加者たちは続々と沖合いの島に向かって歩き始め、不思議な自然現象を思い思いに楽しんだ。
同イベントでは、ネーチャーガイドの鈴木達志さんによる「潮だまり教室」も開催。参加していた子どもたちが時折足を止めながら、生物の観察に夢中になっている様子が見られた。親子で初めて参加したという三島市在住の男児は、ガイドから生物の説明を受けながら「とても楽しい」と笑顔を見せていた。
同委員会の土屋浩二さんは「波が少し高く少し心配していたが、無事渡ることができて良かった。今年も多くの人たちに参加してもらうことができた」と振り返る。「堂ヶ島のトンボロでは、景色だけでなく潮だまりにいる生物の観察も楽しんでほしい。海士(あま)が漁をしている間近で立ち会えるのも見どころ」とも。
年間の潮位表は同町観光協会のホームページで確認できる。