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「下田おもてなしプログラム」 地元観光事業者たちが市内名所を再確認

了仙寺見学の様子

了仙寺見学の様子

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 地域の観光資源を改めて見つめ直すツアー「下田おもてなしプログラム」が3月22日に開かれ、地元の観光業や宿泊業などに従事する9人が参加した。

下田海中水族館では施設運営の工夫について説明を受けた

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 当日、道の駅「開国下田みなと」(下田市外ケ岡)に集合した参加者たちは、あいさつの仕方やおもてなしの心構えなどのレクチャーを受けた後、同建物内にあるハーバーミュージアムを見学。その後、マイクロバスで「玉泉寺」(柿崎)に移動し、米国総領事タウンゼント・ハリスと日米修好通商条約や、ロシアからの軍艦・ディアナ号のエピソードを学んだ。境内にある渋沢栄一が建立した記念碑や、アメリカとロシアの海兵たちの墓なども見学した。

 次に、下田海中水族館(三丁目)に移動し、館内を一通り見学。名物の大水槽は外部の自然光を上手に取り込む設計になっていることや、ペンギンが行進する様子をガラス張りの床下から見られる工夫をしていること、珍しい水生生物を確保するために地元の漁師たちと連携していることなど、施設運営の工夫についても説明を受けた。

 その後、多くの芸能人も墓参する「お吉(きち)」こと斎藤きちの墓がある「宝福寺(ほうふくじ)」(一丁目)を見学。昼食後は日米和親条約の付帯協定である下田条約が結ばれた「了仙寺(りょうせんじ)」(三丁目)で幕末当時の資料を閲覧し、下田では炭焼きや養蚕の産業が盛んだったことや、黒船来航時は日本語と英語でのやり取りの間に中国語とオランダ語を挟んで通訳したことなどを学んだ。

 さらに「下田開国博物館」(四丁目)では、夏の風物詩・八幡神社例大祭の展示や、ペリー・ハリス・お吉・下岡蓮杖など下田にゆかりの偉人たちにまつわる展示、地酒やご当地グッズを豊富にそろえる売店を見学した後、蓮台寺にあるかやぶき屋根の「吉田松蔭寓寄処(ぐうきしょ)」を訪問。最後は上原美術館(宇土金)を訪れ、近代館では桜をモチーフにした春らしい絵画作品などを、仏教館では300点に上る伊豆の仏像や美術品を鑑賞した。

 市内で宿泊施設を営む50代女性は、ツアーで得た学びについて「観光スポットを客観的に見て回ることで、改めて下田の資源の豊富さに気付くことができた」と振り返る。「今後は違うコースでのツアーも企画されるようなので、また参加してみたい」とも。

 企画に携わった下田市観光交流課の白井達也さんは「地元に住んでいる人には当たり前となっている場所も、常に情報が更新されていることを知ってほしい」と呼びかける。

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