東伊豆町が2月1日、地域住民同士がマイカーを活用して町内での移動を助け合う公共交通サービス「ノッカルひがしいず」を始めた。
「ノッカルひがしいず」は、ドライバーとして登録した地域住民の移動に合わせて利用者が車に「乗っかる」ことができる新しい公共交通サービス。過疎地域においてバス・タクシー事業などだけでは交通が不十分となる場合、自治体やNPOなどが自家用車を用いて有償での運送を可能とする「自家用有償旅客運送制度」を活用している。
対象となるエリアは片瀬白田地区と奈良本地区。利用者は乗車前日の17時までに公式LINEまたは電話で予約。予約時には、あらかじめ設定されている時刻と停留所の中から、希望の時間と場所を選ぶことができる。
岩井茂樹町長は「交通事業ドライバーのマンパワー不足が加速している一方で、東伊豆町では自動車を所有している人が多い。だからこそ町民みんながドライバーになれるかもしれない。そんなことを考えていた際に博報堂と連携する機会があり、すぐに実現に向けて動いた。この事例をきっかけに、東伊豆町全体のみならず賀茂地区での実現にもつなげていきたい」と意欲を見せる。
サービスを提供する博報堂の畠山洋平さんは「ノッカルを通して地区ごとの広がりを作っていきたい。移動手段が少なくなると地区の垣根を超えた連携をすることはより難しくなる。地区ごとの交流も含め、地域住民同士の助け合いになれば」と話す。
ドライバー登録をして実際に運行した男性は「個人だけでは実現が難しいすてきな事業。地域の中で困っている人の助けになりたい。まだドライバーが足りないので、どう増やしていくかが課題と感じる」と話す。
利用時にはドライバーにチケットを渡す。チケットは東伊豆町役場・保健福祉センター・東伊豆町役場熱川支所の3カ所で、1枚100円相当ものを10枚つづりで販売。料金は、1人利用=片道200円、2人以上での利用=片道1人100円。現金での利用は不可。
公式LINEでの予約は24時間受け付け。電話予約は平日8時30分~17時15分。1カ月先まで予約できる。