下田在住のイラストレーター土屋尊司さんを講師に招いて、松崎町の特産品や風物のイラストを描くワークショップが1月27日、古民家を改修して作られた交流拠点施設「ふれあいとーふや」(松崎町松崎)で開かれた。
主催は松崎町・静岡大学・松崎町観光協会・伊豆半島ジオガイド協会の4者協定の下に発足した「2030松崎プロジェクト」。同プロジェクト内で、町民たちの学び合いの場を創出することを使命とする「三与塾チーム」が主導した。同チームは不定期で年4~5回程度、学びの場を企画し、過去にはクラフトビールや演劇をテーマとするワークショップも開いた。
今回のワークショップを企画した静岡大学東部サテライトの石川としこさんは「2023年度からの10年間を計画期間とする『第6次松崎町総合計画』の表紙イラストを土屋さんが書いていることを知り、ワークショップをお願いした」と話す。「絵を通じて地元の魅力を体感してもらう機会にしたかった。申し込み受け付けを始めると、すぐに定員に達してしまった」とも。
ワークショップには地元の小学生と松崎高校美術部の生徒と顧問の教諭、合わせて6人が参加。アルコールマーカー「コピック」を使った色の塗り方や分かりやすいイラストの技法を学んだ。
前半は「栄久ポンカン」「なまこ壁」など、土屋さんが描いた松崎町の特産品や風物のイラストにコピックで色を塗り、グラデーションや影の付け方のコツを体験。参加した小学生からは「憧れのコピックを使うことができてうれしい」という声も上がり、それぞれ真剣に色塗りを楽しんだ。
後半は松崎町の春の風物詩である「田んぼを使った花畑」をモチーフにした絵を思い思いに描いた。日頃から絵をよく描く参加者が多かったため、それぞれスムーズに下絵を描き進め、前半で習ったコピックでの色塗り手法を生かして着色を進めた。作品が仕上がった後は、それぞれの絵を鑑賞し合う時間も設けた。
ワークショップを終えた参加者からは「絵の具で描くのとはまた違う難しさと楽しさを知ることができた」「グラデーションを付けていくところが特に楽しかった」などの感想が聞かれ、自宅に帰ってから早速教わった技法を生かしてイラストを描いた小学生もいたという。
石川さんは「講師が強調していた『伝わる絵を描く』という話が特に印象的だった。若い世代にとって、好きを仕事につなげている土屋さんの話を聞く機会になったのも貴重な体験だったはず」と話す。
次回は2月10日13時30分から、「土屋三余に学ぶまちづくり」の勉強会の開催を予定する。