築70年の古民家をリノベーションした素泊まり一棟貸しの宿「木賃宿 山果(きちんやど さんか)」(下田市大賀茂)が1月1日、オープンした。
オーナーの細井春美さんを中心に家族で経営する同宿は、もともと細井さんの夫の両親が住んでいた母屋だったが、両親が他界した後は空き家になっていた建物を活用したもの。「このまま何もしないで置いておくのはもったいない」と、2022年1月から約2年の月日をかけてリノベーションし、オープンにこぎ着けた。
外観は元の建物の風情を生かし、縁側のある「田舎の実家」を思わせるようなたたずまいとなっている。宿名は、リーズナブルな価格で素泊まりができる宿を指す「木賃宿」に、裏山にミカンや柿などが実を付けることに由来する「山果」を組み合わせた。宿泊客はキッチンに食材を持ち込み調理をすることができる。
宿名の由来通り、果樹が実を付けるシーズンには、宿泊客を対象に収穫体験を提供。宿から少し離れた畑ではヤギを飼育しており、ヤギの餌やりも体験できる。
オープン前にモニターとして宿泊した客は「小さい頃に遊びに行った祖母の家に似ていて、落ち着いて過ごすことができた」と話していた。
「宿泊客には田舎の雰囲気を味わってほしい」と細井さん。「ふるさとを持たない人にも、実家に帰ってきた感覚になってもらえたら」とも。
料金は、1泊1万5,000円~。定員4人だが、添い寝が必要な子どもは2人まで追加可能。