西伊豆町を舞台にした短編映画「お屋敷の神さま(仮題)」に出演する女優の三戸なつめさんやお笑い芸人の石井ブレンド(元コマンダンテ)さん、間寛平さんが12月3日・4日の2日間、撮影のため同町を訪れた。4日に記者会見を行い、出演者たちが作品をPRした。
同町は、ロケを積極的に誘致し観光客の増加を図るため、2019年に町・観光協会・商工会などで組織された官民一体の団体「ロケさぽ西伊豆」を立ち上げ、映画やドラマ等の撮影誘致・対応に取り組んでいる。同作品は「地元の子どもたちに郷土愛を育んでもらうこと」「地域の魅力や観光地をPRすること」を目的とし、ロケさぽ西伊豆と吉本興業が共同で製作する。
作品は、学校教師役を演じる石井さんと付喪神(つくもがみ)役を演じる三戸さんが町内を舞台に巻き起こす「少し不思議で心温まるファンタジー」な内容。間さんは近所の老人役として登場する。撮影は、賀茂小学校(西伊豆町宇久須)や大田子海岸など町内約10カ所で行い、全編を通して同町が舞台となるほか、地元の子どもたちや地域住民らもエキストラとして出演する。せりふ付きの児童役を希望した子どもたちを対象に監督によるオーディションも行った。
会見で星野淨晋(じょうしん)町長は「西伊豆の景色をメディアで露出し、町の素晴らしさを町民以外の人に知ってほしい。そして、地元の子どもたちに自分たちの育った町が、いかに素晴らしいところなのかということを実感し、町に愛着を持ってもらいたい」とプロジェクト立ち上げの経緯を明かす。
三戸さんは自身の配役と重ねながら「西伊豆には初めて来たが、『神様がいるのでは』と思うほど素晴らしい景色だった。西伊豆の神様に見守られながら撮影するという貴重な経験をさせてもらえて光栄だった」と大田子海岸の夕焼けシーンを振り返りながら話した。石井さんは「地域の皆さんや撮影スタッフさんの温かさや現場の良い雰囲気が、映像を通して西伊豆を知らない皆さんにも伝われば」と話した。間さんは「この町のために僕らも頑張る」と意気込みを見せた。
同作は、2024年4月に開催予定の沖縄国際映画祭で上映を予定しているほか、町内で凱旋(がいせん)上映も予定している。同町では12月26日まで、制作費の寄付を受け付けている。寄付は、町役場本庁・各支所出張所のほか、クラウドファンディングのウェブサイトでも受け付ける。