お茶を片手に舞台俳優による出演作品の解説を聞いたり、演劇の台本の読み合わせを体験したりできる「リーディングカフェ」が11月26日、梨本公民館(河津町梨本)で行われた。演劇を気軽に体験してもらうことを目的に、静岡県舞台芸術センター(SPAC)と河津町観光協会が共同開催した。
小説「伊豆の踊子」を朗読する三島景太さん(左)、ながいさやこさん(右)1
同イベントは、川端康成の小説「伊豆の踊子」の主人公らが歩いた道を巡って歴史や文化を感じる「ODORICOトレイル」の企画の一つとして開いた。SPACが今シーズン上演している「伊豆の踊子」との連動企画でもある。
第1部は「声に出す」をテーマに、「伊豆の踊子」の舞台に出演しているながいさやこさんがナビゲーター役を務めて作品を解説したほか、参加者が台本片手にせりふを声に出す読み合わせを行った。第2部は「声を聴く」と題して、ながいさんと三島景太さんによる、小説「伊豆の踊子」の朗読会を行った。
参加した50代男性からは「配役を決めての台本の読み合わせは、他の役のせりふを受けてこちらのせりふにも感情が込もっていくのが感じられ、とても貴重な体験だった。『伊豆の踊子』の小説の読み方も変わる気がする」という感想が聞かれた。
同観光協会の榎原なつ美さんは「『伊豆の踊子』をはじめとした文化芸術を活用して、河津町の魅力を発信していきたい」と意欲を見せる。
SPACでは12月にも、下田や修善寺で「伊豆の踊子」の公演を予定している。