さまざまなドラマやミュージックビデオのロケ地にもなっている「細野高原」(東伊豆町稲取)で10月6日、伊豆の海を背にした広大なすすき野原を一望できる「秋のすすき鑑賞会」が始まった。
細野高原は伊豆急行線「伊豆稲取駅」から車で15分ほどの場所にあり、総面積125ヘクタール(東京ドーム26個分)、箱根仙石原のすすき野の7倍の広さを誇る広大な草原。古くはかやぶき屋根の材料を取るかや場とされていた場所で、今でも毎年2月に山焼きを行って草原の管理が行われている。
同イベントでは、入山受付所から200メートルほど進んだ地点からすすき野原を鑑賞することでき、さらに奥には、体力に応じた3つの散策ルートを用意する。最も長いルートは標高821メートルの三筋山山頂を目指すコースで、約7.5キロ・標高差400メートルを3時間弱で巡る。散策ルートの各所にはすすきの群生地があり、フォトビューポイントを案内する看板も立つ。
東伊豆町観光協会の前田陽司さんは「以前は三筋山山頂手前までマイクロバスも出していたが、コロナ禍を経て取りやめた。それでも意外と多くの人が山頂まで登っており、皆さんの体力や行動力に驚いている」と話す。「海を背景にしたすすき野を見れる場所は全国でも珍しい」とも。
入山受付所近くのイベント広場には地域おこし隊らが出店する屋台が並び、さらに三筋山山頂の手前には「ご褒美グルメのキッチンカー」として、御殿場高原ワイン東伊豆醸造所がニューサマーオレンジスカッシュやミネストローネ(以上400円)を販売する。キッチンカーを出店する安藤馨子さんは「町がキッチンカーを貸してくれることになり、初めて出店にチャレンジした。ここまで登ってきた人は、非常に高い確率で飲み物を買って休憩してくれる」とほほ笑む。
ご褒美グルメのキッチンカーで休憩をしていた70代夫婦は「細野高原に来るのは2回目。前回はマイクロバスで登ったこともあり、歩いて登るのはかなり大変だったが、景色が以前よりも素晴らしく思える」と汗を拭きながら話していた。
入山料金は大人1,000円(町内買い物券400円分付き)、小学生以下無料。受付時間は10~16時。10月27日まで。期間中の土曜・日曜・祝日は、伊豆稲取駅前から臨時バスを運行する。