下田市内の休耕田や耕作放棄地で米作りに取り組む有志団体「米(マイ)フレンド下田」が10月6日、収穫米を寄贈するため下田認定こども園(下田市敷根)を訪れた。同団体による子どもたちへの収穫の寄贈は今年で8回目。
米を持ち上げようとする子どもたち、重さに驚きの声を上げた(関連画像5枚)
下田市内に耕作放棄地が増えていることを課題と考えていた、市内で食料品店を営む橋本智洋さんの呼びかけで発足した同団体。現在は11人のメンバーが仕事や学業の傍らで農作業に励み、年間約1.5トンのキヌヒカリを収穫するまでになっている。
子どもたちへの収穫米の寄贈は団体発足当時から実施しているもので、今年は下田認定こども園を含む3つの園に計90キロの米を寄贈した。
この日は米フレンド下田から6人が園を訪問。会長の小澤博さんが「毎年仲間たちと力を合わせて作った米を届けている。ひとりでできないこともみんなでやればできる。友達と力を合わせ、先生やお父さんお母さんたちの手伝いをしてほしい」とあいさつし、米を寄贈。子どもたちは米の重さに驚き、歓声を上げながら受け取った。
米をどうやって食べたいかと聞かれた子どもたちは「栗ご飯」「卵かけご飯」「ごま塩ご飯」などと笑顔で答え、子どもたちから米作りの工程や苦労を聞かれた米フレンド下田のメンバーは「今年の夏は特に暑かったので、炎天下での農作業が大変だった」と振り返った。
「毎年子どもたちが喜んでくれる姿を見るのが何よりうれしい」と話す小澤さん。「食べている様子の写真や手紙をもらうこともあり、それが大きなやりがい」とも。さらに「下田の米を使った焼酎を作ってみようという話も上がっている。自分たちの米作りがより地域の役に立つように考えていきたい」と力を込める。