温泉熱を利用してのワニ飼育や熱帯植物栽培を行っている「熱川バナナワニ園」(東伊豆町奈良本)が7月15日、イリエワニの白変個体2頭の一般公開を始めた。イリエワニの白変個体はとても珍しく、副園長の神山浩子さんによると、「恐らく日本国内で他にはいない」という。
今回公開した2頭はいずれも雌で、一般のワニ愛好家から寄贈されたもの。2007(平成19)年6月にタイから来たワニで、現在の全長約170センチ・体重15キロ、推定17歳。同園が白変個体のワニを飼育するのは7年ぶりとなる。
6月下旬に2頭のワニを受け入れ、飼育環境に慣れたため公開を始めることにした。神山さんは「これまで飼育していた方から『より多くの人に見てほしい』と寄贈の申し出を頂いた。2頭とも非常にきれいで、大切に育てられていたことが一目で分かった」と経緯を話す。
同園学芸員で動物管理責任者を務める横山宏明さんは「この2頭はまだ若いので瞬発力がある。イリエワニは人食いワニとしても知られる凶暴なワニなので、飼育の際には特に安全に気を遣っている」と話す。「これから熱川バナナワニ園のシンボルになってほしい」とも。
アルビノ(白化個体)とは異なり、白変個体は体内で色素のが生成される。そのため2頭のワニは真っ白というわけではなく、背中などには黒い模様が見られる。
報道陣向けのプレ公開に偶然居合わせた観光客からは「白いワニは初めて見た」「そんな珍しいワニと聞いて驚いている」などの声が上がった。
神山さんは「ワニを神様や神の使いとして大事にする国もある。今回の白いワニには神聖な雰囲気も感じられるので、ぜひ見に来てほしい」と呼びかける。
開園時間は9時~17時。入園料は、おとな=1,800円、こども(4歳~小学生)=900円、4歳未満無料。2頭にはまだ名前はなく、今後、募集を行うという。