船でしか行けないビーチとして知られ、5メートル以上の深さの海底までくっきり見えるほどの透明度を誇る「ヒリゾ浜」(南伊豆町中木)が7月1日、海開きした。
伊豆半島最南端の観光名所の石廊崎から東に2キロほどの場所にある同浜は、海開き期間以外は立ち入り禁止となっており、自然そのままの姿が残されている。付近に川がないことや、黒潮の通り道になっていることなどが重なり、南国の季節回遊魚や大物の回遊魚が回ってくるため、夏にはシュノーケリングを目的とする観光客が多く訪れる。
同浜には陸路では入ることができず、「浜渡し」と呼ばれる渡し船で出入りする。出航場所となる中木港には民宿のほか、ライフジャケットなどのマリングッズをレンタルする店や食堂など、海開き期間限定の店が軒を連ねる。
シュノーケリングに来ていた20代男性は「さまざまな海を見てきたが、やはりヒリゾ浜が一番心に残る。海開き期間も長く、絶好のシュノーケリングスポットに来ることができてうれしい」と話す。
港近くの「双葉食堂」を営業する藤井瑛里奈さんは「人生初のシュノーケリングがヒリゾ浜だった。少しのぞくだけでたくさんの魚が見えて、すぐにその世界に引き込まれた。思い出の場所で、食堂を通じて皆さんの心とお腹を満たすことができたら」と話す。
海開き期間は10月1日まで。海流が速く、岩浜には多くの危険も潜んでいることから、浜を管理する
ヒリゾ浜渡し組合では、安全のため運営やライフセーバーからの説明をよく聞いて楽しむことを呼びかけている。