海水浴客やサーファーに人気の白浜海岸が目の前に広がり、年間5万人以上が利用する下田随一のリゾートホテル「下田プリンスホテル」(下田市白浜)が7月7日、開業50周年を迎える。
美しい海に向かって開ける緩やかなV字形の建物は黒川紀章さんの設計
133室を備える同ホテルがオープンしたのは1973(昭和48)年7月7日。黒川紀章さんが設計した白を基調とした建物は、海に向かって開ける緩やかなV字形となっており、コンセプトの「翼をいっぱいに広げて飛び立つカモメのように青い海と対話するホテル」を表現している。
窓からは白い砂浜と透明度の高い海を眺めることができ、天気がいい時には伊豆七島の島々も望むことができる。「この眺望は当ホテルの自慢。伊豆七島が見えることで、より強く地球の丸さを体感できる」と支配人の太田章彦さんは話す。
同ホテルから目の前の白浜中央海水浴場には、そのまま入ることができる。「道路を渡らずに白浜海岸まで行ける唯一のホテル」という、その立地の良さから、夏には海水浴を目的とするファミリー客で特ににぎわう。
食事にも力を入れており、キンメダイなどの地元食材を使った料理や、地元に伝わる「いけんだ煮みそ」をアレンジしたメニューも提供する。地元の建設会社に依頼して下田湾に沈めた海底熟成ワインも好評で、「沈める前と後を比べる利き酒が人気」だという。
さらに、従業員による定期的なビーチクリーンに加え、ごみ拾いに協力した宿泊客が好きな色のサザエのふたを貼ることができる記念ボードを用意している。「お客さまに楽しみながらごみ拾いをしてもらいたいと、ある会合で聞いたやり方を取り入れた。お客さまが来れば来るほど海岸がきれいになることを目指している」と太田さんは話す。
50周年当日の7月7日にはホテル前のビーチで打ち上げ花火を行うほか、7月7日・8日の2日間限定の特別宿泊プランと、箱根・伊豆地区総料理長の佐野文彦さんが監修する特別ディナーを提供する。
今後に向けて、太田さんは「下田の宿泊施設を探す段階で当ホテルを見つけるのではなく、『下田プリンスホテルに泊まりたいから下田や伊豆に行きたい』と思ってもらえるようなホテルにしていきたい」と力を込める。「そのために必要な設備やサービスのさらなる充実を検討している。年明けからはペットを連れて宿泊できる部屋の用意を予定している」とも。