下田や伊豆半島の古代~中世の意外な歴史を2人の講師が対談形式で掘り下げる講演会「下田と伊豆半島の魅力 『世界の中の下田と歴史の宝庫伊豆を語る』」が5月13日、「道の駅開国下田みなと」(下田市外ヶ岡)で行われた。
ユーチューブでの歴史解説も人気の茂木さんのトーク(関連画像4枚)
講師は、駿台予備学校・N予備校講師でユーチューバーとしても活躍中の茂木誠さんと、下田市出身で数々の著作がある日本近現代史研究家の渡辺惣樹さん。講演会は2人の対談形式で行われた。
同講演会は2022年にスタートした「下田市グローカルCITYプロジェクト」の一環として開かれたもの。当初は40人定員としていたが、申し込み多数のため定員を50人まで増やした。下田市内だけでなく、近隣市町や県外からも参加者が集まり、中には広島から訪れたという人もいた。
下田の歴史が語られる時にはペリー来航など幕末がフォーカスされることが多いが、今回の講演会ではそれよりも前の時代の下田や伊豆半島にスポットが当てられた。「吉佐美の三倉山は『神道考古学』の原点」「伊豆市の軽野神社辺りでは山の中で船が建造され、狩野川を通り大阪湾まで渡った」「南伊豆は京都で政治的に失脚した者の流刑地だった。そのため京都の地名に似た場所が多く、流刑となった人物の名前が付けられた場所もある」など、会場からさほど遠くない各地の意外な歴史が多く明かされた。
講師の2人からは「下田や伊豆には歴史的に重要な場所がたくさんあるが、多くは整備されておらず、観光に結びついていない」との問題提起もあり、「伊豆のライバルは京都と奈良。伊豆に生まれたことを誇りに感じてほしい」とのメッセージが送られた。
静岡市から足を運んだ女性は「興味深い話が多く、歴史に対する視野を大きく広げてくれた」とうれしそうに話していた。