下田市で家庭から出る生ごみに竹パウダーを混ぜて堆肥にする取り組みが始まることを受けて3月22日、道の駅「開国下田みなと」(下田市外ケ岡)で「竹パウダーコンポスト講座」が開かれた。
竹パウダーを入れたガーデンバッグ型のコンポスト容器(関連画像5枚)
もともとタケノコ栽培などのために植えられた竹林が管理されなくなり、周囲を侵食して樹木の成長を阻害したり、土砂災害を引き起こしたりするという放置竹林の「竹害」が全国的に発生している。下田市では放置竹林への対策として、これまでにも切り出した竹を活用した竹どうろうで街を照らす「竹たのしみまくる下田」を開催するなどしてきた。
下田市ではごみ焼却炉の老朽化に伴い、ごみ処理の広域処理が議論されており、その中で水分の多い生ごみが焼却炉に負担をかけることも問題視されるようになっていた。そこで今回、放置竹林の解消と生ごみ削減を両立させる新たな施策として、竹パウダーを活用した堆肥づくりに取り組むモニター募集を行うことになった。
下田市企画課政策推進係の山本さんは「放置竹林への対応を考えていた際、市の担当者がネットを通じて竹パウダーを活用した堆肥作りのことを見つけた。まずは実験的に取り組んでみることにした」と話す。
竹パウダーの製造は、以前から漬物づくりや土壌改良のための竹パウダーの製造と販売に取り組んでいる「すぎのこ作業所」(加増野)が協力する。
この日の講座では、すぎのこ作業所の富永雅隆さんが講師を務め、モニター募集に手を挙げた市民28人が参加。市から無料で提供されるコンポスト容器と竹パウダーの使い方や、竹パウダーを使った、より効果的な堆肥の作り方などのレクチャーを受けた。
参加者からは「放置竹林と生ごみ問題を解決しながら堆肥を作れるのは一石三鳥」といった声が聞かれた。
モニター参加者は今後1年間にわたって竹パウダーを使った堆肥づくりに取り組み、市に2カ月に1回ずつ記録を提出する。