
南伊豆町で9月17日、今季の伊勢エビ漁が解禁された。下流漁港(南伊豆町下流)での早朝の初水揚げでは、夜明けの港に活気があふれ、漁師たちが網から伊勢エビを一匹ずつ丁寧に取り外す姿が見られた。
同港での初日の水揚げ量は36.2キロ。昨年初日の41.9キロを下回ったものの、ピチピチと元気な伊勢エビが次々と並び、漁港は秋の訪れを告げる華やかな雰囲気に包まれた。地元漁師は「全体的に小ぶりだが、身はしっかりしている。これからに期待したい」と話している。
伊勢エビは漁港直売所でも販売し、この日の販売価格は1キロ当たり8,640円だった。同漁港では現在、5人の漁師が2隻の船で漁を行っており、資源保護のため規定以下のサイズの伊勢エビは海へ戻す取り組みも続けている。
下流海老(えび)網世話人の平山善太郎さんは「黒潮の大蛇行でアワビや伊勢エビの餌となる海藻のカジメが全滅した。さらに天敵のウツボが増え、駆除をしているが追いつかない」と現状を語る。ただ、駆除したウツボは地元業者に卸され、南伊豆ならではの珍しい「ウツボ料理」として観光客にも親しまれている。
南伊豆町観光協会では10月4日~11月30日、町内の宿泊施設が南伊豆産の伊勢エビを使った特別メニューを提供する「伊勢海老まつり」を開催する。9月20日から先着500人で受け付けを始めたが、初日だけで定員を超える申し込みが集まるほどの盛況ぶりで、早々に申し込みを締め切った。
南伊豆町の伊勢エビ漁は2026年5月中旬まで行われる。