「旧町内」と呼ばれる下田市中心街で地元出身の夫婦が営む美容室「17イチナカヘアーサロン」（下田市二丁目）が3月26日で3周年を迎えた。

店の窓からは旧町内・伊勢町の景色が見える（関連画像9枚）

　移転前の最初の店舗「ルーチェ・ヘアー」から数えると、開業から14年半が経過した。店主の清野光さんは下田市出身で、昔ながらの町並みが残る旧町内で生まれ育った。

　同じく下田出身の妻・めぐみさんとは、もともと顔見知りで、美容業に携わる者同士だった。それぞれ東京で実績を積んだ後に帰郷。光さんが旧町内での開業を考えていた際に相談したのが、後にパートナーとなるめぐみさんだった。

　数年後には、めぐみさんも光さんの店で働くようになり、2021年には現店舗の売り物件情報を入手。以前の店から近く、住宅も併設できる広さがあったことから、一念発起して購入に踏み切った。旧町内では土地の売買が難しく、交渉に当たっては知人や外構業者など、多くの人の協力を得たという。

　店舗面積は約11坪で、前面には4台分の駐車スペースを確保。通りが狭く、「車同士のすれ違いも困難な旧町内での店舗営業では、駐車場の確保が最重要事項」と2人は強調する。下田での生活経験が長い2人は、町なかでの営業に必要なノウハウにも精通している。

　「17イチナカ」の店名は、数字を用いた美容室名が珍しいこと、めぐみさんが「17」という数字に縁があること、さらに「17（イチナナ）」と「町なか」という言葉が響きとして似ていることから考案した造語だという。

　店内には、めぐみさん専用の施術スペースも設け、まつ毛や眉毛のエクステンション、耳つぼ、肌のケア、着物の着付けなどの美容サービスも提供している。「美容に関する困り事があれば気軽に相談してほしい。会いに来てもらえるような店づくりを心がけている」とめぐみさん。

　光さんは「施術にかかる時間をなるべく短く済ませられるよう心がけている」と話す。めぐみさんについては「芯が強く、頼りになる存在」と信頼を寄せる。

　「旧町内はとにかく便利で、生活しやすい。子どもたちも学校に通いやすく、送迎も不要。人も温かく、安心できる」話す2人。「今後も互いに高め合っていきたい」とも。

　営業時間は9時～19時。月曜定休。予約はインスタグラムとLINEで受け付ける。