伊豆半島エリアでまちづくりやワーケーション施設の運営を行う団体などを対象にしたワークショップが1月28日、西伊豆町で開かれた。主催は美しい伊豆創造センター(伊豆市修善寺)で、熱海でまちづくりに取り組む「machimori(マチモリ)」(熱海市銀座町)が事務局を担う。
同ワークショップは、伊豆半島のまちづくりに取り組む団体が自団体や各エリアの課題を再認識し、まちの変化を生み出す事業を実施できるようにすることを目的とした全3日間のプログラム。今回は2回目の開催で、熱海市、伊東市、東伊豆町、下田市、西伊豆町から計7団体が西伊豆町に集まった。
1回目は昨年12月に熱海で開催し、自団体や各エリアの課題を理解することを目的に、熱海のまちづくりを例にしてまち歩きやワークショップを行った。今回は「他地域から学ぶ・磨き合う」をテーマに掲げ、西伊豆エリアの課題解決のプロセスを通じて、エリアを変えるための事業創出の視点を学んだ。
参加者はまず、再生した古道を巡るマウンテンバイクツアー、森林整備、カヤックフィッシング、宿泊事業など、西伊豆の自然資源を循環させる事業を展開する「BASE TRES」(松崎町松崎)代表の松本潤一郎さんの元を訪れた。松本さんは同社の取り組みを説明した後、宿泊施設「ロッジモンド」で導入している熱供給システム「ウッドボイラー」、森林整備の現場、古道、開業準備中のまき火レストランの店舗などを紹介。松本さんは「自然のものを全て活用する感覚で事業に取り組んでいる。欧米のものをただコピーするのではなく、その中で日本の本質を忘れないようにしている」と話した。
その後、参加者は会場を同町安良里地区に移し、3つのテーマ・グループに分かれてフィールドワークを実施。安良里で海藻の養殖事業に取り組む「シーベジタブル」(高知県安芸市)の伊東茉由さん、元旅館「宝来屋」の再生に取り組む移住者の小村麻衣花さんなども交え、まち歩きを通じて地域の特色や既に変化が起き始めている古民家などを確認した。グループごとに、エリアビジョンを実現するための仮説シナリオを描いたり、共創するステークホルダーの仮説を立てるなどして、課題解決策の構想を話し合った。
美しい伊豆創造センターの高野幸恵さんは「皆さんと現場で熱量を感じながら事業を展開できることは、私にとって非常に魅力的な取り組み。来年度、再来年度に向けて、より良いものを作っていけたら」と述べ、会を締めくくった。
最終回となる3回目は、美しい伊豆創造センターで2月末に開催予定。