地域の有志たちによる野外映画会を中心としたフェスイベント「ほしそら台湾ナイト」が11月16日、熱川温泉しおかぜ広場(東伊豆町熱川)で開かれた。過去最多だった昨年のサマーフェスを上回る約1700人が参加した。
主催したのは、地元出身者や移住者たちから成る有志団体「ほし☆そらシネマIZU」。高校生~50代のメンバーが所属し、職業も水道業者、電気業者、造園業者、リフォーム業者、東伊豆町役場職員、ウェブデザイナーなどと幅広い。
活動の始まりは2020年夏の映画上映会。コロナ禍でさまざまなイベントが中止になる中、「子どもたちに思い出に残る体験をプレゼントしたい」と開いたものだった。その後も地元の子どもたちに向けたイベントや出店を重ね、昨年8月のサマーフェスには約1500人を集客した。
同団体代表で、地元の自動車販売店「熱川自動車」に勤める鈴木香織さんは「土地柄だと思うが、本当に良いメンバーに恵まれている。助けが必要なときに手を差し伸べ合える関係性で、年長の人も駄目出しをするのではなく、親身になってアドバイスしてくれる」とチームワークの良さに自信を見せる。「話し合いで次々とアイデアが出るので、全部実現しようとなる」とも。
一昨年は「大人リゾート」、昨年は「メキシコリゾート」と毎回テーマを変えながら開いている同イベント。今年は熱川温泉で開かれている「熱川台湾提灯(ちょうちん)プロジェクト」に倣い、横浜中華学院による獅子舞や、台湾の名作映画「幸福路のチー」の上映、台湾グルメの屋台やキッチンカーの出店など、台湾をテーマにしたプログラムを展開した。
さらに、子どもたちに楽しんでほしいと初の紙飛行機大会を開催。36人の参加者が紙飛行機を作り、その飛行距離を競い合った。参加者が飛行機を飛ばすと「おー」「頑張れ」「すごい」などの歓声が上がった。
その他にもダンスや太鼓演奏が会場を盛り上げ、フィナーレのプロジェクションマッピングと打ち上げ花火で、会場の盛り上がりは頂点に達した。
熱海から来たという参加者は「ほし☆そらシネマIZUならではの手作り感と、熱川地区ならではのアットホーム感が好き。SNSでメンバーが楽しそうに準備している様子を見ていると、自分もわくわくしてくる」と話した。
「今回のイベントを通じて、多くの皆さまの笑顔と温かい応援に触れることができ、改めて地域のつながりの大切さを実感した」と話す鈴木さん。「今後も『子どもたちにすてきな思い出を届けたい』という原点を忘れず、東伊豆町の魅力を発信し続けていきたい」と意欲を見せる。