明かりと歌のコンサート「音魂灯(おとだまあかり)」が9月21日、伊那下神社(松崎町松崎)で開かれ、松崎町を拠点に活動するソプラノ歌手、たえこ(伏見妙子)さんが出演した。
会場には松崎小学校6年生たちが制作した万灯が並べられた(関連画像10枚)
「神社にもっとたくさんの人に来てほしい」との思いから、同神社の神主がたえこさんに声をかけ2022年に始まった同コンサート。3回目となる今回は、松崎小学校6年の児童たちが好きな言葉やイラストを書いて制作した万灯(まんどう)や町民有志が用意した明かりで境内をライトアップし、会場は幻想的な雰囲気に包まれた。
静岡市出身のたえこさんは、昭和音楽大学と同大学院でオペラを学んだ後、ソプラノ歌手として独立。2017(平成29)年に文化庁文化芸術人材育成プログラムの一環で生まれた松崎町と縁をきっかけに2021年、同町に移住した。月1回の「こころうた会」の開催や、同町の魅力を発信するユーチューブチャンネル「わっしょい松崎」への出演など、地域活性化のために精力的に活動している。「私にとって歌は光。魂を込めた音やみんなの思いが光となって、神社をともし、松崎町全体を照らしますように。そんな願いを込めて『音魂灯』と名付けた」とたえこさん。
この日のコンサートでは、着物をリメークした衣装をまとったたえこさんが舞殿に登場し、唱歌「荒城の月」や「糸」(中島みゆき)、映画「タイタニック」のテーマ曲「My Heart Will Go On」など、誰もが知る名曲を歌い、町内外から集まった約150人の観客を魅了した。秋祭りなどの奉納の舞以外で同神社の舞殿が使われるのは今回が初めてだという。コンサートの途中、町民有志から成る「松崎町のうたを育てる会」も合唱で3曲を披露した。
観客からは「たえこさんのコンサートをいつも楽しみにしている。ライトアップもきれいで素晴らしい会だった」などの声が聞かれた。
たえこさんは「持病を抱える中、たくさんの人の支えでこの会を実現できた。松崎町はそれぞれが主役となれるような芸達者な人が多い。松崎町を、そんな地域の人たちが活躍できるような場にしていきたい」と意欲を見せる。