首都圏に住む人たちが松崎町で稲作を通じた地域学習や交流を行う「NH田んぼプロジェクト」が12月13日、収穫した米60キロを松崎町に寄贈した。寄贈された米は、松崎町学校給食センターを通じて町内の小中学生らに提供される。
深澤準弥町長と平馬誠二教育長に新米60キロを贈呈した(関連画像9枚)
大手広告会社出身者など「人生100年時代の新しいキャリア」を模索するプロフェッショナルたちが集まる「ニューホライズンコレクティブ」(東京都港区)が展開している同プロジェクト。2021年に松崎町岩科地区の耕作放棄地を再生し、稲作を通じた地域学習や交流を目的に発足。「とんび農園」(松崎町岩科)の鈴木茂孝さんの指導を受けながら、都心からの参加者が年間を通じて田植えや稲刈りなどの農作業に取り組んでいる。
当日は、2025年内最後の活動として「餅つき収穫祭」をとんび農園で開催。その中で開かれた贈呈式で、プロジェクトメンバーから深澤準弥町長と平馬誠二教育長に、収穫したばかりの新米60キロが手渡された。その後、参加者たちは、とんび農園が運営する松崎稲作塾の参加者らとともに、自分たちが育てた米を含む4種類の米を使った餅をつき、味わった。
今回の寄贈について同プロジェクト関係者は「日頃世話になっている松崎町への恩返しを考えていた際、地元の有志団体が給食センターに米を寄付していることを知り、感銘を受けた。自分たちもその輪に加わりたいと考えた」と経緯を話す。
米を受け取った平馬教育長は「松崎町に着目し、子どもたちのために米を寄付していただき大変ありがたい。今後は、町の子どもたちや大人も、こうした活動に参加できるような関係性を築いていければ」と感謝と期待を伝えた。
会場では、近くに生えていたガマの穂で遊ぶなど、都会ではなかなか経験できない里山の体験を楽しむ子どもたちの姿も見られた。