観光客や地元住民を対象とした自然観察ツアーを行う「南伊豆ジオガイドの会」が12月13日、「『雲見・石部』伊豆西南海岸を全身で感じる旅」と題したツアーを行った。約10人が参加し、ガイドの池野玉枝さんの案内で伊豆半島南部の自然と歴史に触れた。
石廊崎オーシャンパーク内のビジターセンターを拠点に、12人のジオガイドが活動する同会。10年前から、晩秋から初夏にかけて南伊豆エリアのジオサイトを紹介する企画ツアーを行っており、今年も「2025~2026南伊豆ジオツアー」と題した全11回のツアーを予定しており、今回がその3回目。
当日は雲見海岸でジオサイトの烏帽子山を望みながら、火山の根(火道)や地形の解説に耳を傾けながら、海岸沿いの遊歩道を散策。参加者は冬の海風を感じながら、足元の岩石や植生に見入っていた。途中で立ち寄った石切り場跡では、かつて石材が切り出されていた歴史や作業の様子、地域の暮らしとの関わりも紹介した。
三浦歩道をさらに進むと、古くからの信仰と結びついた霊廟の遺構が現れ、過去と現在をつなぐ場所として参加者の関心を集めた。三競展望台では駿河湾越しに南アルプス山系や富士山を望み、参加者が足を止めて記念撮影を楽しんだ。
昼ごろには黒崎展望所で休憩を兼ねた昼食を取り、午後は伊志夫神社へ。境内にある珍しい狛犬や伝承について説明を受けた後、「大石」と呼ばれる巨岩の周囲を巡った。
東京都武蔵野市から参加した会社員の松村茂一さんは「写真が趣味で、数年前から何度か参加している。撮影スポットだけでなく、道中でガイドがさまざまな解説をしてくれるので、多少きついコースでも疲れを感じずに楽しめる」と話していた。
ガイドの池野さんは「今回は地質や地形だけでなく、歴史や文化に触れる機会を多くした。コースの難易度や、海岸部と山間部といったエリア別に多様な企画ツアーを用意しており、知識豊富なガイドが案内する。興味のある人は気軽に問い合わせてほしい」と呼びかける。
次回は2026年1月24日、「『吉田』1月26日に二十六夜山に登ってみよう」と題したツアーを行う。参加費は5,000円(弁当付き)。