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河津町のカフェ「デルモニコス」でピース又吉さん朗読会 長年の絆で実現

ピース又吉さん朗読会「庵浮楽途(アンプラグド)」の様子

ピース又吉さん朗読会「庵浮楽途(アンプラグド)」の様子

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 河津町のカフェ「Cafe&Records Delmonico’s(デルモニコス)」(河津町谷津)が11月21日、店舗初のイベントとして、お笑いタレントで作家のピース・又吉直樹さんを招いた朗読会を開いた。

参加者たちからのサインや撮影の要望に快く応じるピース又吉さん(関連画像8枚)

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 同店はもともと都内の世田谷区下北沢で16年営業していたカフェバーで、又吉さんは当時の常連だった。7年前に店主の森隆男さんが妻・由美子さんの故郷である河津町に店を移転した際にも、又吉さんは花と書籍を贈っていた。

 今年半ば頃に夜間の営業も再開し、「地域を盛り上げるためにイベントを開催したい」と考えた森さんが、旧知の又吉さんに声をかけたところ快諾を得たという。「河津からもアンダーグラウンドカルチャーを発信できたら」と、森さんはイベント開催の思いを話す。イベントタイトル「庵浮楽途(アンプラグド)」は、電気を使わない人力のライブを楽しんでほしいという意図を込めた当て字。

 開始時間になると店内に又吉さんが登場。地元住民が見守る中、自己紹介の代わりに自身の苗字やコンビ名「ピース」の誕生にまつわる小話で始まり、家族のことや子どもの頃の思い出、父方のルーツである沖縄のことなど、自著のエッセーを朗読しながら穏やかに進行した。

 会の途中には森さんが又吉さんとの思い出の曲を流し、又吉さんも自身の作品の中にデルモニコスをモデルにした店が登場するというエピソードを披露。これまでにもいろいろな場所で朗読会を開いてきたという又吉さんは、後半にはライブでしか発表しないという作品「平凡な爆発音」も朗読した。

 会は2回に分けて開き、合わせて約30人が参加。同町の観光協会や商工会の関係者、図書館スタッフ、隣町・東伊豆町の書店店主など、日頃から地域文化の発信や観光・交流に尽力する人々が集まった。「世話になっている地域の人たちに声がけをした」と由美子さんは話す。

 近所から駆けつけたという自営業・松井真理さんは「和装が好きな又吉さんのために着物で参加した」と話し、又吉さんの印象について、「目がきれいでオーラがある」と話した。普段から地元の読み聞かせにも参加しているという飯田佳代子さんは「言葉を大切に選ぶ姿勢が印象的だった」と感銘を受けた様子だった。

 デルモニコスを訪ねる形で初めて河津町に来たという又吉さんは「伊豆半島の東海岸を通って来たが、大自然の先に突然文化がある素晴らしい場所」と印象を述べ、伊豆でも増えている多拠点居住者については「自分も拠点を探しているところ。いつかは静かな場所で作家活動ができたら」と思いを語った。

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