空き家を自分の手で再生するための全4回の実践型DIY講座「DIY講座」の初回講座が12月6日・7日、下田市須崎区の空き家で開かれる。市が運営する「空き家バンク」が主催する。
「空き家DIY講座」で講師を務める「山本建築」の山本剛生社長(関連画像5枚)
下田市では空き家の増加が地域課題の一つとなっている。空き家を「使える家」に再生し、移住・定住や地域活性化につなげるため、所有者や利用希望者自身が家の手入れや簡単な補修を行える力をつけることを目的に企画された。
講師を務めるのは地元の建築会社「山本建築」(下田市大沢)社長の山本剛生さん。実際の空き家を使って、道具の扱い方から塗装・補修までを体験的に学ぶことができる。第1回のテーマは「塗」で、プロの職人から塗料の違いや道具の使い方を学び、正しい塗り方・乾かし方を体験する。室内の壁や柱を塗装するほか、漆喰(しっくい)を使った作業も行う予定。
イベントを企画したのは、地域おこし協力隊として空き家バンクの運営を選任で担当する大野朋子さん。千葉県船橋市出身で、約20年のキャリアを持つデザイナーでもある大野さんは、デザイナーとしてまちづくりや不動産サイトのプロジェクトに携わってきた経験があることや下田に友人がいたことなどから、今年1月から地域おこし協力隊として活動している。
今回の講座を企画した背景について、大野さんは「物件を持っている方に話を聞くと、たくさんのお金をかけてリノベーションしないと出せないと思っている方がすごく多い。でも、意外とちょっときれいにすれば賃貸に出せる物件は多い。そういうことを知っていただきたい」と話す。「移住希望の方はすごくたくさんいるが、賃貸の物件がかなり少ない。家族で移住したい人が希望する一軒家や広めのマンションの賃貸物件が増えるような取り組みをしていきたい」とも。
今回のイベントでは須崎区にある実際の空き家を題材にする。「今回の講座を経てリノベーションした後、移住者向けに賃貸に出したい」と話す大野さん。築約50年で、空き家になってから3カ月という物件は、床が抜けている箇所もあり、全面的な改修が必要な状態だという。
空き家所有者やDIYに興味のある人であれば、市内外問わず誰でも参加可能。大野さんは「みんなで一緒に楽しんで、ボロボロなものがきれいになっていく工程をぜひ一緒に楽しんでほしい」と呼びかける。
開催時間は10時~16時。参加費は1日1,000円、2日参加で2,000円(昼食代込み)。参加申込みはウェブフォームで受け付ける。定員10人で、応募者多数の場合は抽選。