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伊豆熱川の提灯プロジェクト 本場・九フンから「お墨付き」友好協定

締結式の様子(提供写真)

締結式の様子(提供写真)

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 台湾ちょうちんで伊豆熱川の温泉街を彩る「熱川台湾提灯(ちょうちん)プロジェクト」に取り組む「『熱川に、九フン(きゅうふん)が灯(とも)る。』まちづくり協議会」は10月1日、台湾・新北市瑞芳区の「九フン商圈発展協会」との友好交流協定を締結した。

現地視察の様子(関連画像5枚)

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 伊豆熱川では2024年4月から、赤いちょうちんで湯煙の上がるレトロな夜の温泉街を照らす「熱川台湾提灯プロジェクト」に取り組んでいる。通年点灯するちょうちんの見物や、台湾グルメや地元グルメの屋台が集まる月1回の「熱川湯けむり夜市」などを目当てに、同エリアでは特に夜の観光が盛り上がりを見せている。最寄りの伊豆急・伊豆熱川駅の乗降客数はプロジェクト開始前よりも約15%伸びているというデータ(昨年度実績)もある。

 同プロジェクトの運営は、主に東伊豆町商工会メンバーから成る同協議会が担う。同協議会メンバーは2024年11月、九フンを初訪問。以来、同協議会で副会長を務める神山浩子さんと九フン商圈発展協会執行長の許さんが窓口となってやり取りを継続し、双方の理解を深めていった。「許さんとはAI翻訳も活用しながら、頻繁にLINEで連絡を取り合っている。時には細部にまでこだわった相談をして、やり取りが長時間に及ぶこともある。互いの観光施策に関する情報交換や、本場のちょうちんのメンテナンス方法を教えてもらうなど、さまざまなやり取りを重ねてきた」と神山さんは振り返る。

 同協議会が九フンを訪れて締結した今回の友好交流協定は、双方が長期的かつ安定的な協力関係を構築し、観光・文化・経済などの多様な交流を通じて、双方の繁栄と発展を促進することを目的とするもの。神山さんは「九フン商圈発展協会は、九フンエリア約200店の8割以上が加盟する民間団体。互いにやり取りを重ねる中で、それぞれが土地の文化や経済を育むには民間の継続のための努力が大切だと思っていることや、土地への揺るぎない愛情を持っていることなどの共通点を感じ、協定締結の話が持ち上がった」と説明する。九フン商圈発展協会が他国の団体などと友好協定を結ぶのは今回が初めてのことで、熱川の提灯プロジェクトが本場・九フンの正式な「お墨付き」を得た形となる。

 締結式では、九フン商圈発展協会の蘇宗徳理事長が「九フンと熱川温泉は、不思議なほど多くの共通点を持っている。これから私たちは『ちょうちんで友情をともす』という象徴の下、光と影の交わりの中で観光と文化交流を共に進め、多くの旅人の心を照らしていく」とあいさつ。続いて、同協議会の渡邊健司会長が「最初に九フンを訪れた時、いくつもの共通点を感じ、そして世界的な観光地である九フンへの憧れが大きな原動力となった。一時的なイベントに終わるのではなく、継続的なまちづくりとしてちょうちんの明かりを絶やさぬよう取り組んでいく」とあいさつした。

 今後、同協議会では伊豆熱川駅内に今回の友好協定締結を紹介する常設ブースの開設など、熱川を訪れた人たちに九フンとの関係を紹介していく。一方、九フン商圈発展協会では、日本人観光客が増えるゴールデンウイークから、国内からの観光客が集まる6月中旬~7月の「九フン紅提灯祭」までの間、九フンのメイン通りに「熱川」と書かれたちょうちんを掲げることを計画しているという。

 ※九フンの「フン」は正しくは「にんべんに分」

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