下田開港170周年記念プレ講演会「開国のまち下田」が2月26日、下田市民文化会館(下田市四丁目)で開催された。
第1部に登壇した萩博物館の一坂太郎さん=下田開港170周年記念プレ講演会
来年で開港170周年を迎える下田。同講演会は「下田グローカルCITYプロジェクト」の一環で開催。下田の歴史を学び、その魅力を再発見してほしいと、姉妹都市である山口県萩市と、下田と同じくペリー来航の地でもある浦賀から講師を招いた。
第1部は萩博物館特別学芸員の一坂太郎さんが、「なぜ、松陰はアメリカ行を企てたのか」を演題に講演。吉田松陰が下田で黒船での密航を企てるまでのいきさつや密航当時の様子などを軽快な語り口で解説。あまり語られることのない吉田松陰の幼少期のエピソードにも触れ「松陰の行動力の源は日本の行く末を案じる心だった」と話した。
続く第2部は横須賀開国史研究会会長の山本詔一さんによる「ペリー来航と浦賀」と題した講演。「テレビドラマなどでは、黒船が来て人々が慌てふためき我先に逃げようとしたり、黒船が大砲を撃って人々を威圧したりするように描かれていることが多いが、実際はもっとのんびりした様子だった」と話す山本さん。さまざまな文献から検証した黒船来航時の浦賀の様子をユーモアたっぷりに語り、度々笑いを誘った。
南伊豆で歴史ガイドをしているという女性は「下田の歴史を学びに来た。講師の方々の話が面白く、とても楽しい講演会だった」と満足気な様子を見せていた。
2024年には開港170周年のさまざまな記念イベントが計画されており、同年3月には大規模な記念講演も予定されている。