
玉川大学の学生たちによる舞台「シバイノタカラバコ2025」が8月30日・31日、下田市民文化会館(下田市四丁目)で上演された。8月29日・9月1日・2日の3日間は、市内のこども園や小中学校の児童・生徒を園や学校ごとに招いての特別公演も行った。
主催は下田市と同大芸術学部演劇・舞踊学科。同学部は社会貢献活動として「玉川大学パフォーミング・アーツ・プロジェクト」を展開し、2021年から東京都大島町で巡回公演を行ってきた。地元の伝説を題材にするなど、地域の子どもたちに芸術や歴史に触れる機会を提供している。
下田市と同大は2016(平成28)年度から包括的地域連携協定を結び、学校での英語授業支援や黒船祭での米海軍水兵と小学生の交流支援などを続けてきた。今回の下田公演は「子どもたちに本物の芸術を体験してほしい」との思いから初めて実施した。
8月30日・31日の一般公演では、「飛んで孫悟空」「黒ねこのサンゴロウ」の演目を、それぞれ1本ずつを午前・午後に分けて上演した。学生36人が中心となり、出演や舞台監督から、照明、音響、ヘアメークまで、全てを手がけた。2日間の4公演には延べ500人以上が来場し、学生たちの熱演に拍手を送った。
9月2日には大賀茂小学校の児童42人が、宮沢賢治原作の「バナナン大将と菓子の勲章」を観劇した。物語は、戦場で空腹を抱えるバナナン軍団の兵士たちが、大将の体に飾られた菓子の勲章を食べようとたくらむ、というユーモラスな内容。劇中には「開国キャラメル最中」など下田で人気の菓子も登場したほか、人気アニメの要素を取り入れた演出もあり、児童たちは終始笑顔で楽しんでいた。
観客席の椅子ではなく舞台上に座って間近で鑑賞できるよう工夫し、児童が登場人物と一緒に体操する場面も盛り込まれた。子どもたちは迫力ある演技に笑ったり驚きの声を上げたりしながら、舞台を楽しんでいた。
観劇した児童からは「演技や動きがすごかった」「勲章を食べちゃうなんて面白かった」などの感想が聞かれた。