伊豆急下田駅から車で約20分、海水浴客やサーファーに人気の吉佐美大浜にある「85(ハチゴー)カフェ」(下田市吉佐美)が2月24日、グランドオープンした。
発酵食をカジュアルなメニューで提供し自転車のメンテナンスもできる、複合的なコンセプトの同店。店主は埼玉県から移住した蒔田俊史さん・亜美さん夫婦。俊史さんは、トライアスロン用品店の店長を経て、自身もトライアスロンに取り組んできた。河津町でのトライアスロン大会にも出場するなど伊豆との縁を深め、2021年に下田市の地域おこし協力隊に着任。スポーツ振興の分野で力を注ぎ、先月末の任期終了まで精力的に活動に取り組んだ。
亜美さんは、大手コーヒーチェーンでの20年以上にわたる店長歴や、埼玉のシェアキッチンで期間限定の店を出すなどの経験を持つ。妊娠を機に食への関心がより高まり、助産院で酵素玄米を教わったことをきっかけに発酵食品に興味を持ち、「発酵食スペシャリスト」の資格も取得した。
蒔田さん夫婦がプライベートでよく泊まりに来ていたのが、吉佐美大浜すぐ側の「アーネストハウス」。下田の海の美しさに心引かれ、いつか下田で2人の店を持つことを思い描くようになり、アーネストハウスのオーナーからの声がけで隣接する空き物件に出店することになった。
約18坪の店内には26席を構える。メニューは毎日10食限定となる酵素玄米の焼きおにぎりとおかずをセットにした「酵素玄米焼きおにぎり竹皮包み」(825円)や、「白身魚のフライプレート」(1,320円)、甘酒トマトケチャップなどを混ぜた特製ソースを使った「85バーガー」(1,430円)などを用意。
同店は、静岡県東部地域スポーツ産業振興協議会(E-SPO)が行っているバイシクルピット事業にも加盟。県内に100カ所以上ある他のピットと同様、自転車の修理用工具や空気入れを準備しており、「サイクリストにも優しい」環境を整える。
「間口を広く、心も体も喜ぶロケーション」を目指したいと蒔田さん夫婦。店名の85は、発酵(ハッコー)でもあり、85歳を過ぎるまで元気に暮らしてほしいというメッセージでもある。「観光客の少ない時期は、地元に向けて食や健康に関するワークショップも開いていきたい」と話す。
営業時間は11時30分~21時。火曜・水曜定休。