
日常にアートを取り入れ気軽に触れるきっかけを届けるイベント「風まちアートWEEK」が6月24日~29日の6日間、「kazemachi shimoda(風まち下田)」(下田市武ガ浜)で開かれた。
主催したのは下田市白浜出身の赤尾佳乃さん。2020年から白浜での骨董(こっとう)品の無償配布イベント「もってかっせー」を開催しており、今年1月開催時に出会った作家・ささまきこさんとの縁をきっかけに、地元で活動する表現者との交流が広がったという。一方「地元で作品を知ってもらう機会が少ない」と感じるようにもなった。
そうした中、高校時代の同級生で「風まち下田」のイラストを手がけたTUTiさんの紹介で同施設に出入りするようになり、空間や人の雰囲気に引かれて「アートに触れる」日常の体験を軸に企画したのが今回のイベント。
会期中、コップへの絵付け体験「うそみたいなコップ作り」、足に合わせて作る「マンサンダル作り」、活版印刷、塗り絵、ニュアンス似顔絵など、多彩なワークショップが日替わりで開かれ、子どもから大人まで思い思いにアートを楽しんだ。展示されているコップやアクセサリー、ドライフラワーなどの作品はその場で購入して持ち帰ることもでき、参加者にとっては、暮らしに気軽にアートを取り入れる機会となった。
週末には「ONINIIZU」「ボナペティ」などのキッチンカーが並び、来場者は出来たてのフードを味わった。イラストレーターでシンガー・ソングライターの浜田一平さんによる弾き語りライブと、副業すし職人によるすし店「寿しらぼ三〇二」(下田市三丁目)とのコラボ企画「音楽と寿司のライブ」も実現。握りたてのすしを片手に生演奏を楽しむ姿が見られた。
赤尾さんは「この企画は最初から一度きりではなく、継続していきたいという思いがあった。黒船祭をきっかけに『風まち下田』にスピーカーが導入され、音楽イベントなど表現の幅が広がったのはとても心強い。『楽しいことを企画してくれてありがとう』という言葉や、実際に足を運んでくれる人の笑顔を見られるのが本当にありがたく、またやりたいという気持ちがますます強まっている」と振り返る。
風まち下田オーナーの津留崎鎮生さんは「『地域の内外のさまざまな人が集い、挑戦し、共創・交流する場』をコンセプトに事業を始めてから、6月末で1周年を迎えた。あっという間の1年で感慨深い。そうした節目に、このようなイベントを企画してもらって本当にうれしい」と話す。