
南伊豆町の農林水産物直売所「湯の花」(南伊豆町下賀茂)が3月29日・30日、開業20周年記念イベントを開いた。
3月中旬に20周年を迎えた同直売所。記念イベントでは「20」にちなんで、2,000円以上の買い物客にラナンキュラスの切り花を進呈した。店長の渡辺純平さんは「20周年にちなんで、本年度は毎月20日に何かしらのイベントを行いたい」と話す。
さらに「直売所を利用したことがない人にも来てもらえるような魅力的な直売所づくりに取り組み、地域経済の活性化に貢献したい」と話す渡辺さん。最近では、出荷者による即売会を開くほか、道の駅・伊東マリンタウン(伊東市)やJR戸塚駅(神奈川県)での出張販売も定期的に行い、知名度向上や町外顧客の増加に向け積極的に取り組んでいる。
同直売所では、3年前から生産者の育成にも取り組んでいる。新規就農希望者や地域住民の農業への参画者の育成を通じて、南伊豆地域における農産物生産量の維持拡大や耕作放棄地の再生利用を目指す。南伊豆町市之瀬の休耕地を研修農場として活用し、講義と実習指導から成る1年の研修プログラムを通じて、夏野菜と冬野菜を生産している。研修農場で育てた野菜は、同直売所で販売することもできる。
さらに休耕地活用のため、オーナー制体験型農業「MY田んぼ」にも取り組む。参加者は初夏の田植えと秋の稲刈りを体験することができ、育っていく稲を見守りながら1契約当たり50キロの米を受け取ることができる。神奈川県や東京都など県外の利用者も増え、今年の契約区画数は70件になった。
「さまざまなイベント開催で年々売り上げは増えているが、生産者の高齢化や獣害被害で野菜の出荷量は減っている」と話す渡辺さん。「新鮮な野菜を求めて来るお客さまの期待に応えられるよう、出荷サイドの課題にもしっかり取り組んでいきたい」と意欲を見せる。