伊豆半島を自転車で一周する通称「イズイチ」に挑戦するサイクリストの利用で知られる宿「JU-ZA CYCLE YADO Minamiizu」(南伊豆町子浦)が11月12日で3周年を迎えた。
サイクルピットを備えたコミュニティースペース(関連画像7枚)
サイクリストや伊豆半島南端を訪れる観光客に向けて宿泊サービスを提供する同施設は築56年の民宿「さかくら荘」を改装したもの。躯体(くたい)はそのままに、「木のぬくもりを感じさせるモダンな空間設計を施した」という。宿名の「JU-ZA」は、さかくら荘の屋号「重田(じゅうざ)」に由来。
1階はサイクルピットを備えたコミニティースペースとラウンジから成り、利用客の交流の場になっている。2階の客室は和室4部屋と4台のドミトリーべットがある部屋2室。最大18人が宿泊することができる。
事務局の真鍋聡子さんは「最近はJU-ZAを目指して海外から訪れる人や再訪する人も増えてきている。特にうれしいのは、来訪者が地元の皆さんに温かく受け入れてもらえること。南伊豆町の事業者や住民の皆さんからの協力も得られ、私たち自身も多くの出会いに恵まれている」と振り返る。「今後は『自転車の宿』という軸を大切に、伊豆をサイクリングを楽しむ皆さんの拠点となることを目標に、南伊豆ならではの遊びを取り入れた新しい体験を創り出していきたい」と抱負を語る。
同宿では最近、フォトツアーイベントの開催に力を入れている。5月と7月には、宿がある子浦周辺でプロカメラマンが帯同する女性限定のフォトツアーを開催。その後、eバイク(電動アシスト付き自転車)を利用して近隣の集落まで足を伸ばし、10月12日・13日は伊浜に、11月6日・7日は妻良へのフォトツアーも開いた。これまで試行錯誤しながら取り組んできたイベントの経験を生かし、来年の3月からは定期的に女性限定の南伊豆のフォトスポットをe-bikeで巡る1泊2日のフォトツアーイベントを開催するという。
eバイクでのフォトツアーでガイドを担当したのは、同宿のアンバサダーを務める平塚吉光さん。元プロロードレーサーで、現在はサイクリングガイドやトレーニングコーチとしても活躍している。「自転車はいろいろな楽しみ方があるので、もっとたくさんの人たちが自転車を楽しめる場所を増やしたい」と話す平塚さん。「自転車が安全に走れるように道路が整備されれば、子どもやお年寄りにも優しい道になる。災害時の救助活動にも道路は大事。自転車を通して道路の大切さも知ってほしい」と呼びかける。
宿泊料金は1泊朝食付きで1人4,950円~。朝食には地元食材をたっぷり使った特製スープを提供している。