下田朝日郵便局(下田市吉佐美)が隣の建物に移転して、1月24日で3カ月がたった。
同局が開設されたのは 1971(昭和46)年。地方の特定郵便局によく見られるような小さな建物に常時3人の局員が控え、近隣住民を中心とした利用者たちに郵便や保険などにかかるサービスを提供し続けてきた。
朝日は現在の吉佐美エリアの旧名で、この一帯が「朝日村」と呼ばれていたことに由来する。吉佐美地区には多々戸浜(たたどはま)、入田浜(いりたはま)、吉佐美大浜(きさみおおはま)とサーファーに人気のビーチが並び、昔から移住者や外国人も多いスポットになっている。
最近では新たな飲食店や宿泊施設も増えてきている一方、昔ながらの小さな郵便局は老朽化が目立ち、利用者の増加に伴って「駐車場が足りない」など不便さが指摘されるようになっていた。
移転の話が持ち上がったのは一昨年のこと。隣接するコンビニエンスストア跡が閉店後1年以上空き店舗になっていることに目を付けた局長の三堀綱幸さんの上司が本部に打診して了承を得た。
リノベーションされた局内はメインとなる窓口事務室のほか、営業時間外も利用できるATMスペースや職員用の休憩室、さらに利用客の相談事の際にも使える会議室を備える。「従来の倍以上の広さになり、10台以上の駐車スペースも用意することができた。会議室があるので、込み入った話にもゆっくり対応できるようになった」と三堀さん。
移転後3カ月の手応えについて、「隣の南伊豆町からのお客さまも増え、利用客も以前の3~4倍に増えた。業務量が増え、うれしくもあり大変でもある」と三堀さんはほほ笑む。
仕事でよく利用するという移住4年目になる自営業の男性は「大変明るく便利になった。駐車場も広いので、安心して車で立ち寄ることができる」と話す。この日も顔なじみの局員と言葉を交わしながら郵便物を預けていた。
「郵便局には近隣の高齢者への見守りサービスや、災害時の支援物資の預かりなど、まだ一般にあまり知られていないサービスも多くある。地域の皆さんに郵便局をもっと活用してほしい」と三堀さんは呼びかける。