都心と伊豆諸島を結ぶ客船などを運航する東海汽船(東京都港区)が11月18日・19日、東京竹芝客船ターミナルと下田市を結ぶ高速ジェット船の直行便をトライアル運航する。
この試みは、下田周辺の会社経営者や金融機関職員などが集まる有志団体「未来伊ZU CAMPUS(ミライズキャンパス)」の着想から始まったもの。同団体はこれまで、地元高校生による農産物販売支援などに取り組んできたが、今回、観光活性化を目指して直行便を提案。自治体や関係団体を巻き込み、トライアル運航の実現にこぎ着けた。「下田ならびに賀茂地区の人流を少しでも増やしたいとみんなで議論してきた。このトライアル運航を成功させて次につなげ、地域活性化の一助としたい」と同団体事務局担当者は話す。
高速ジェット船は東京~下田間を片道2時間10分で結ぶ。今回のトライアル運航では東京~下田間を船で往復するだけでなく、行きは電車・帰りは船など、幅広い使い方も提案する。「船と電車を組み合わせることで、伊豆の海と山の両方を楽しめる。行きは電車で伊豆半島の豊かな自然を楽しみ、帰りは高速ジェット船で海風を感じながら伊豆七島を横切るなどの組み合わせも可能」だという。
今回のトライアル運航は主に観光の活性化を目的に企画したものだが、防災面での取り組みとしても注目されているという。「昨今の地震や土砂災害を受けて、海路での物資搬入などにも広がる可能性を秘めている」と同担当者は話す。
両日とも、上りは東京・竹芝桟橋を8時50分に出航し11時に到着、下りは下田を13時50分に出航し16時に竹下桟橋に到着する。料金は、片道=7,500円、往復=1万3,000円。予約は10月1日9時30分から、東海汽船(TEL 03-5472-9999)で受け付ける。