保護者向け講座「下田の伝統芸能を見てみよう! 下田節って何?」が9月13日、下田市地域子育て支援センター(下田市敷根)で開かれた。
同講座は子育て世代の親子を対象に、約400年の歴史を持つ伝統芸能「下田節」の歴史を学びながら、実際にその歌や踊りを観覧することで伝統的な文化に触れることを目的としたもの。下田伝統芸能普及促進委員会と下田市教育委員会が連携して企画し、今回は下田市地域子育て支援センターを日々利用する13組の親子が参加した。
下田節は、かつて海上交通の要衝として栄えた下田を行き交う人々の人情を歌った民謡。船頭たちの酒盛り唄に端を発し、やがて花柳界に伝わり、座敷唄として歌い継がれてきた。
今回は講座の趣意に沿い、日本舞踊の基本となる動作が多く含まれる「さくらさくら」、メインとなる「下田節」の2つの演目で構成。三味線と歌に合わせて、下田芸者による情感あふれる舞踊が披露された。
下田伝統芸能普及促進委員会の土屋天澄さんは「日々の稽古の成果を披露する場として貴重な機会になった。若い世代に伝統的な文化を伝えるという点でも意義があった。下田の宝である『下田節』を後の世まで受け継いでいきたい」と話す。
下田市教育委員会では子育て世代の親子や保護者向けにさまざまな支援を行っているが、こうした企画を子育て支援センターで行うのは初の試み。同委員会の澤地彩さんは「日々忙しく頑張るお母さんたちに豊かな時間を提供したい。今後もさまざまな取り組みに挑戦していきたい」と展望を話す。