オーナー制の収穫体験施設としてリニューアルした「河津ブルーベリーの里」(河津町川津筏場)で現在、ブルーベリーの収穫が最盛期を迎えている。
福沢さんがデザインした農園キャラクター「ふくちゃん」(関連画像6枚)
施設のリニューアルに奮闘するのは、北海道から移住した地域おこし協力隊の福沢宏幸さん。これまで地域の有志で運営し、夏には一般向けに収穫体験を行っていた同園だが、関係者の高齢化もあり、運営方針を見直し、地域おこし協力隊の力を借りて新たな運営体制を作っていくことになった。
デザイナーとして仕事をする傍ら、4年ほど前から知人農家の手伝いなどで農業の楽しさにのめり込んでいた福沢さん。40歳を機に本格的に就農しようと決意し、静岡県農業振興公社から河津町の地域おこし協力隊募集の話を聞き、迷わず応募したという。埼玉県北本市と河津町で農業に取り組み、10年前から同園の運営に関わっている「BTファーム」が福沢さんをフォローする。
福沢さんが加わった河津ブルーベリーの里は本年度に入り、オーナー専用の収穫体験施設としてリニューアルした。3000坪ほどの敷地に約250本のブルーベリーを栽培する同園で、ブルーベリーの木1本ごとに年間契約したオーナーは、いつでも収穫を楽しむことができる。普段の草刈りなどの管理は福沢さんが担当する。今年は7月中旬、収穫が始まった。
福沢さんはデザイナーの経験を生かし、インスタグラムへの動画投稿や、フリーペーパー「ブルーベリー通信」の発行など、広報活動にも積極的に取り組む。オーナー看板を新たにデザインしたり、農園のキャラクター「ふくちゃん」を考案したりするなど、農園のファンを増やすためにさまざまな工夫を凝らしている。
さらに同園では、BTファームの協力を得てアボカドの栽培エリアも準備中。南国の果物であるアボカドの栽培に適した土地は日本には少ないが、伊豆南部には温暖な気候と豊富な水がそろう。BTファームの加藤学さんは「河津はアボカドの一大産地になる可能性を秘めている」と話す。
オーナーの満足度をさらに高めるため、歩道整備などを進める福沢さん。「将来的にはドッグランや子ども向けの遊具を備えたい。さまざまなイベントも開催し、オーナーが一日中楽しめるような農園にしたい」と意欲を見せる。
ブルーベリー収穫は8月下旬までの予定(オーナーのみ、要予約)。年間オーナー(1株1万円)に申し込めば、ブルーベリー収穫に参加できる。