夫婦で営む総菜店とゲストハウスを備えた「なぎ」(東伊豆町稲取)がオープンして、7月23日で3カ月がたった。
店主は、2022年9月に東京から東伊豆町へ夫婦で移住した井上憲作さん。本業のウェブマーケティングの仕事をする傍ら、パン店での調理経験がある妻の典子さんと共に同店の開業を決意。2023年11月~2024年3月には、シェアキッチン「ダイロクキッチン」(東伊豆町稲取)でチャレンジショップとして「お惣菜(そうざい)や なぎ」をテスト営業した。
「以前から、自然豊かな地域で体を動かしたり商売をしたいと考えていた」と話す井上さん。知人の紹介で、稲取で地域づくりに関わる人に出会ったことから移住を決意。移住した頃から気になっていたという、元ふとん店の空き店舗を地域事業者の協力の下、2024年1月からリノベーションし、総菜販売とゲストハウスの機能を備えた同店を開業した。
「人の輪が生まれ、それぞれが穏やかに過ごせる空間」をコンセプトに、地域住民をはじめ多くの人が関わる空間を作る。「なぎ」の店名には「風がやんで波もなくなった穏やかな海」を指す「凪(なぎ)」と穏やかな状態を指す「和(な)ぎ」の2つの意味を込めた。
総菜メニューは「高野豆腐の肉詰め」(4個、280円)や「スパニッシュオムレツ」(1カット、250円)など、ダイロクキッチンでのテスト営業時から親しまれている定番メニューに加え、「サケの南蛮漬け」(100グラム=300円)などの週替わりメニューなども幅広くそろえる。いずれの総菜も旬の食材や地元の食材を使うことを心がけている。週替わりメニューは水曜に切り替える。
「地域の人をはじめ、より多くの人に気軽に訪れてほしい。特急で2時間半で訪れることができる場所だからこそ、一度気軽に伊豆や稲取を体験してくれたら」と話す井上さん。「今後はより多くの方に気軽に受け入れてもらえるよう、カフェや休憩所としての機能も検討していきたい」とも。
総菜店の営業時間は10時~18時。イートイン可。月曜・火曜定休。短時間であれば店前のスペースに1台のみ駐車可能。
7月からは、寝室4室を備え最大9人が宿泊できる併設のゲストハウスも本格稼働している。宿泊予約はAirbnbで、一棟貸しのみ受け付ける。15時チェックイン、10時チェックアウト。1棟素泊まり2万5,000円~。