西伊豆で夏の始まりを告げる毎年恒例の花火大会「第57回堂ヶ島火祭り」が7月24日、堂ヶ島公園(西伊豆町仁科)で開かれる。主催は西伊豆町観光協会。
同花火大会は、600年ほど前に西伊豆の海に度々現れていた海賊に対し、地元の若者たちが火矢を放って退治したという「海賊船討伐伝説」に由来する演出が見どころ。「伊豆の松島」とも称される景勝地「堂ヶ島」の小さな湾内の岩場から打ち上げられる約2500発の花火は観客からの距離も近く、「この地形ならではの迫力ある音圧を体感することができる」という。
湾内には、毎年地元の船大工が約2週間かけて造る海賊船に見立てた船を浮かべる。そこに約500発の花火を仕かけ、クライマックスには海賊船が爆発炎上する大がかりな演出があることから「花火大会」ではなく「火祭り」と名付けられた経緯がある。
演出の中には、花火師が火の粉を浴びながら打ち上げる手筒花火も披露。花火師自身が竹の切り出しから火薬の仕込みまで全て行う手筒からは、約20メートルにも及ぶ火柱が打ち上がる。
会場では飲食ブース22店が出店し、花火の打ち上げ開始前からイカスミを練り込んだ海鮮塩焼きそば「海賊焼き」や伝統保存食「潮かつお」を使ったうどん・パスタなどのご当地グルメなどを販売する。
今年初の試みとして移住相談ブースも開設予定。移住を検討している観光客からの相談を受け付けるほか、同町に空き家を所有する住民や地元出身者からの空き家相談にも対応する。移住定住や空き家の利活用推進に取り組む西伊豆町地域おこし協力隊の丸山里奈さんは「移住を検討している人、少しだけ興味がある人など、相談内容はささいなことでも構わないので、気軽に移住相談ブースにも立ち寄ってほしい。帰省中の人も多い時期だと思うので、町内に空き家を所有する人にも立ち寄ってもらえたら」と話す。
同協会の鷹野純也さんは「海賊船が海上で爆発炎上する演出は、花火大会としてはとても珍しい。日中は遊覧船での『青の洞くつ巡り』やマリンアクティビティーなども併せて楽しみ、昼夜共に堂ヶ島観光を楽しんでもらえれば」と呼びかける。
開催時間は18時~21時。飲食ブースは18時~、花火の打ち上げは20時25分~。小雨決行。終了後、堂ヶ島バス停から松崎方面・宇久須方面へ各1本ずつ臨時バスを運行する。