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南伊豆の循環型美容室「杜とあお。」が4周年 次の目標は「高床式美容室」

店主の中野美代子さん

店主の中野美代子さん

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 伊豆急下田駅から車25分の場所に店を構え、化学薬品を使わず環境負荷が少ない施術を行う「自然派美容室 杜とあお。」(南伊豆町市ノ瀬)が12月22日で4周年を迎えた。

店内ではシャンプーで使う草木をつるしドライにしている

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 住民わずか60世帯ほどの市ノ瀬地区で美容室を営むのは富士市出身の中野美代子さん。富士宮市内の美容室でキャリアを積んだ後、自然の豊かな場所で暮らしたいとの思いから、夫と共に6年前に南伊豆町へ移住した。

 住宅兼店舗の建物は空き家を活用し、施術時の排水はそのまま畑に流せるよう科学薬品を使わないことを徹底している。当初はオーガニックにこだわることは想定していなかったが、設備や周辺環境になるべく手をかけない方法を考えた結果、現在のスタイルにたどり着いた。環境負荷の少ない美容室にするため、古くからの洗髪の知恵を生かし、シャンプーや染料は草木を加工したものを使う。

 メニューは洗髪カット(3,500円)・草木の髪染め(5,000円~)・ヘッドスパ(~3,500円)など。

 山里の暖かな日差しが入る店内には、シャンプーで使う草木をつるしドライにしている。鏡やツールボックスは廃材を活用しており、シャンプー台もDIYで作った。

 中野さんは「北海道から沖縄まで、全国から来店していただいている。関東圏からのリピーターも多い。人や物との縁に恵まれ、このような形で美容室ができてうれしい」と笑顔を見せる。リピーターの地元客は「今の自分に合うものを整えてくれるので心地いい。自然を汚さないというコンセプトも素晴らしい」と共感を示す。

 さらに同店では、地域の子どもたちに海のごみ拾いをお願いして「お礼」にヘアカットチケットを渡す「クリカツ」や、海洋プラスチックごみから作ったアクセサリーの販売など、SDGs推進の活動にも積極的に取り組む。次の目標として、地域の間伐材を使った「高床式美容室」を造ることも目指しているという。

 店休日はインスタグラムで知らせる。

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