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下田で孤食を防ぐ月1回の地域食堂「すずきさんちでおひるごはん」

地域食堂を開く鈴木平八郎さん

地域食堂を開く鈴木平八郎さん

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 子どもや高齢者の孤食を防ぐための地域食堂が5月26日、元精肉店をリフォームした店舗(下田市六丁目)で開かれた。月1回のペースで開催し、今回で4回目。50人以上が食事を楽しんだ。

松木正一郎市長(右)も地域の人たちと食事を楽しんだ

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 主催するのは、下田で最も世帯数が多いとされる岩下区(六丁目)の民生委員3人が中心となった「すずきさんちでおひるごはんの会」。メンバーの1人の鈴木平八郎さんは、同所で長年「鈴木精肉店」を営んできたが、5年前に高齢のため精肉店を閉店。新たに食堂を始めようかと考えていたが、コロナ禍で中断していた中で昨年、脊髄(せきずい)の病気が見つかり、緊急手術を受けた。

 一命を取り留めた鈴木さんは「せっかく助かったのだから、みんなのために何かしたい」と、市の社会福祉協議会に相談。同地区の民生委員たちと協力し、元精肉店の空き店舗で子どもや高齢者らの孤食を防ぐための「地域食堂」を始めることにした。

 同地区前区長で教師経験もある渡辺久志さんのアイディアで、食堂は地域の学習支援活動とも連携。近所の子どもたちが集会所で渡辺さんに勉強を教わった後、地域食堂で食事を取る形で協力し、鈴木さんの取り組みは「こども食堂」としての役割も担う。

 この日のメニューは唐揚げ定食。唐揚げに、総菜、ご飯とみそ汁を付けて、中学生以上は1食200円、子どもは同100円で提供した。社会福祉協議会や地区の民生委員、ボランティアスタッフも加えた9人が、食事を作ったり客を案内したりと忙しく働いた。

 勉強帰りに立ち寄り「唐揚げがおいしい」と食事を頬張る児童や、「久しぶりに友達と会えた。みんなで食べるとおいしい」とうれしそうに話す??近所に住む女性などでにぎわった。

 今年2月から月1回のペースで開催し、回を重ねるごとに徐々に訪れる人も増えている。支援の輪も広がり、社会福祉協議会に加え、下田東急ホテル、トヨタレンタリース静岡、下田ロータリークラブなどの企業や団体から、食材や飲料の寄付も寄せられている。

 鈴木さんは「岩下区には一人暮らしの高齢者も多い。この食堂をきっかけに、近所の人同士、顔を合わせて楽しく食事をしてほしい」と呼びかける。

 同食堂は月1回、11時~14時に開く。事前予約は不要。

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