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西伊豆町で「シーウィードキャンプ」 海藻の可能性を探究する3日間

スジアオノリの栽培について学ぶ参加者たち

スジアオノリの栽培について学ぶ参加者たち

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 海藻の生産現場への訪問や研究者・実践者との交流を通して海藻の魅力や可能性を体感するプログラム「シーウィードキャンプ 2024」が3月1日~3日、西伊豆町で開かれた。主催はシーベジタブル(高知県安芸市)。

食事会ではスジアオノリ・ハバノリ・トサカノリなどを使った料理が振る舞われた

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 同社は海藻の基礎研究から陸上・海面での栽培、料理開発・加工まで一貫した海藻に関する事業に取り組んでおり、西伊豆町にも2カ所の海藻栽培拠点を持つ。同社によると「海藻の生産量・消費量共に減少傾向にある」という。

 プログラムの目的について、同社共同代表の友廣裕一さんは「世界で海藻食が注目される中で、藻類の研究者は驚くほど少ない。講義だけでなく実際に海のフィールドに足を運び、海藻も食べてみることでその可能性を知り、研究や活動に向き合う仲間が増えるきっかけになれば」と話す。

 定員10人に対し40人の応募があり、最終的には選考で選ばれた16人が参加した。海藻を研究する学生だけでなく、中学生やダイバー、食品会社の研究者、料理人など世代や専門分野もさまざま。

 初日、東京駅または三島駅に集合した参加者たちは、同社の準備した車で松崎町に入り、夜は懇親会で他の参加者やスタッフたちとの交流を深めた。

 2日目、午前中は西伊豆町安良里の陸上栽培試験場を訪問。スジアオノリの栽培工程について、同社共同代表の蜂谷潤さんから説明を受けた。その後、大田子海岸(西伊豆町田子)に移動し、海藻の海面栽培現場を見学。栽培方法と藻場について理解を深めた。

 午後は宿に戻り、同社の海藻生態担当で海藻研究所所長を務める新井章吾さんから、藻場の回復につながる産業について講義を受けた後、東京海洋大学准教授・藤田大介さんから藻場の現状や変化について、徳島大学大学院講師・堤理恵さんから海藻の栄養について学んだ。

 夜の食事会では、同社で海藻料理開発を担当する石坂秀威シェフが作る、海藻を使った創作料理を楽しみながら、スジアオノリやトサカノリなどを使った海藻食の可能性に触れた。「今まで海藻は付け合わせのような食べ方しか知らなかった。海藻が主役の料理で驚いた」などの声が聞かれた。

 最終日は松崎町内を散策し、松崎町特産である川のりを使った加工品などを試食。その後、車で三島駅・東京駅に向かい解散となった。

 「シーベジタブルの取り組みで海藻に興味を持ち、大学の研究室を決めた」と話す長崎大学3年の内田透聖さんは「海藻について学べるだけでなく、社会人や料理人などさまざまな角度から海藻に対する思いを持った人たちと交流できた」と振り返る。

 「海藻研究に携わる人は少なく、みんな孤立している」と話す友廣さん。「今回のプログラムを通して、参加者が仲間を得たと感じてくれたことがうれしい。今後は一般向けにも開いていきたい」と意欲を見せる。

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