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東伊豆・稲取でアートフェス アートを通じたまちづくりを語る対談も

ダイロクキッチンに展示されている町の風景をプリントしたTシャツ

ダイロクキッチンに展示されている町の風景をプリントしたTシャツ

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 東伊豆町稲取地区の古民家再生物件などを会場にしたアート作品などに町を歩いて触れるイベント「イナトリ・アート・フェス」が現在、土曜・日曜・祝日限定で開かれている。

初公開となる西山五郎ゆかりの邸宅の外観(関連画像6枚)

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 「アーツカウンシルしずおか」が主催し、同地区を中心に空き家再生を手がける「so-an」が企画運営する同イベント。「旧西山邸」「ダイロクキッチン」「すみんこカフェ」(以上、東伊豆町取)を会場に、写真・衣料・映像・音楽・木彫りなど、さまざまなアート作品を展示する。

 開催の経緯について、so-an代表の荒武優希さんは「稲取で数年前からアーティストを対象にしたワーケーション事業に取り組んでいる。旅行客とはまた違ったアーティストの視点が、地域の新たな一面を掘り起こしてくれると感じていた。アーティストの力を借りて、町の新たな魅力を引き出そうと考えた」と話す。

 展示作品は、東京で画廊を運営する癸生川栄(きぶかわえい)さんディレクションの下、アーティストの大洲大作さん・木下正道さん・小山達也さんらが制作。癸生川さんは計30日間、稲取に滞在し、町の人たちも制作や素材提供に多く協力した。漁師町ならではの屋外水栓タイルに着目した写真作品や、町の人が話す声とヒップホップ音楽を融合した音声作品など、町の営みを素材にした作品が多く展示されている。「地元の人にも親しみやすい展示になった」と荒武さん。

 3会場の中で最も注目されているのが、1959(昭和34)年に施工された、昭和の面影が残る木造家屋で、今回が初の一般公開となる旧西山邸。医師としての貢献に加え、横浜に次いで国内2番目といわれる近代上水道の設置に尽力した町の偉人・西山五郎の子孫の邸宅だった建物を、アート作品を楽しみながら見学することができる。

 旧西山邸で案内をしていた稲岡麻琴さんは「西山五郎に縁のある場所だからと足を運んでくれるシニア層も多い。今も地域に伝統文化として伝えられている『馬鹿ばやし』は、若者の娯楽が少ないことを心配した西山五郎が芸人を招いたのが発祥」と説明する。

 2月25日14時からは、荒武さん・癸生川さん・櫛野展正さん(アーツカウンシルしずおか)のトークイベントを旧西山邸で開く。荒武さんは「フェスの総括や、アーティスト視点でのまちづくりについて話をする。アートが好きな人やアートイベント開催に興味のある人にぜひ足を運んでほしい」と呼びかける。

 開催時間は、旧西山邸=11時~17時、ダイロクキッチン=11時~15時、すみんこカフェ=11時~16時。入場無料。2月25日まで。

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