夜の植物園に飲食ブースやDJが集う「X'MAS EXPRESS PARTY」と題したクリスマスイベントが12月16日、下賀茂熱帯植物園（南伊豆町下賀茂）で開かれた。

音楽で会場を盛り上げたDJ Ken Show（関連画像7枚）

　同イベントは、安藤広和支配人が「南伊豆にもクリスマスらしい雰囲気を」と初開催したもの。夏に開催したビアガーデンが好評で「年内にもう一度同じようにイベントをやりたい」という声が上がっていたことも背中を押した。

　当日は通常営業終了後の園内に、「しいの木やま」「蕎麦（そば）切り明日葉」を含む町内9店の飲食店がブースを出した。シンボルのハワイアンクリスマスツリーなどの装飾や、町内在住のDJが流すクリスマスソングが雰囲気を盛り上げたパーティーには約150人が訪れた。

　下田市から来た那良契仁さんは「植物園にはよく遊びにきていたが、イベントは初めて。園内にこれだけ大勢の人が集まっていて驚いた。4店舗の料理を楽しめて満足」と話す。

　町内に住む40代男性からは「1カ所でいろいろな店の料理が楽しめてうれしい。量もちょうど良く、おかず1～2品ごとにお酒も変えて楽しんだ」などの声も聞かれた。

　同園は1962（昭和37）年、安藤さんの祖父・廣さんが開業。一年中熱帯植物を観察できる植物園と併設の洋食レストランが多くの観光客を集めた。

　2011（平成23）年に東日本大震災直後にチャリティーバザーを開催したのをきっかけにイベントを行うことが増えた。約9年前に営業形態を変更し、洋食レストランを喫茶スペースに変更。レンタルスペースとしての貸し出しも始め、飲食イベントやパブリックビューイング・ライブ・寄席など、幅広い用途で活用されている。

　「ここを人が集まりつながる場にしたい。地元の人と移住者の垣根なく何か面白いことが動き出すきっかけになれば」と安藤さん。「定期的にイベントを続けることで関わる人の輪も広がっている。町内の店が1カ所に集まることで、町の人に新たな店を知る機会となり、店にとっても新たな集客を見込める機会となる」とも。