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下田で「ワーケーションミーティング」 実践者と地元事業者らで戦略会議

グループごとの発表の様子

グループごとの発表の様子

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 日本や世界の各地でワーケーションを実践する有識者たちが集まり、ワーケーションの変遷や今後の動向を語り合う「ワーケーションミーティング」が12月8日、下田市役所で開かれた。下田市が主催し、日本デジタルノマド協会が後援した。

自身の経験を話すパネリストの畑山朱華さん(関連画像13枚)

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 2019年の「下田ワーケーション研究会」の立ち上げを機に、市内事業者に対するワーケーションの理解促進や、公共施設などでのワーケーション受け入れ体制の拡大を続けてきた下田市。下田でのワーケーションをさらに盛り上げるため、同イベントを開いた。

 第1部のパネルディスカッションには5人の有識者が登壇。会場には地域事業者やワーケーションに興味を持つ人など約30人が集まった。

 下田にも拠点を置くワーケーション施設「LivingAnywhere Commons」の事業責任者を務めた小池克典さんは「国策としての『テレワーク』推進が、コロナ禍に『ワーケーション』に変わった」「アフターコロナで出社強制への揺り戻しも出ているが、ワーケーション自体は完全に定着した」などの歴史を説明した。

 下田を拠点の一つとしながらワーケーションを実践している「ランサーズ」CEvOの根岸やすゆきさんは、ワーケーションを軸に閑散期の宿泊者を5倍に伸ばした能古島(福岡県)などでの取り組みを説明。「まずは清掃活動などに参加して敵ではないことを理解してもらうことが大切」「盛り上がる地域の共通点は『変人』がいること」などの見解を述べた。

 海外のワーケーション事情に詳しい塚田エレナさんは、自宅以外の場所で1~3カ月過ごしながら仕事をする生活スタイル「デジタルノマド」の広がりを紹介。デジタルノマドをする外国人からの日本の注目度の高さを、実体験を交えながら説明した。「言葉の壁はグーグル翻訳で解消できることも多いが、飲食店などの手書きメニューはうまく翻訳できなくて困る」などの体験談に、会場からは驚きの声が上がった。

 さらに、それぞれが全国各地でワーケーションを実践しているシモカタセイジさんと畑山朱華さんが、ワーケーションの面白さや再訪する地域の特徴を紹介。「緩い役割」「共創活動」など、外から来た人でも何らかの地域活動に参加できる余白が大切であると説明した。

 続く第2部では、パネリストも含めて6~7人ごとにテーブルに分かれて、「下田のワーケーションをさらに盛り上げるための事業プラン」を考えるワークショップを行った。約1時間にわたってチーム内でディスカッションを行った後、代表者がそれぞれのプランを発表。「日本文学がブームとなっている中国に向けた発信」「スナックツアー」「職人体験」などの案が挙がり、それぞれの意見に対してパネリストら有識者がコメントを添えた。

 下田市産業振興課でワーケーション施策を担当する福井廉さんは「今回のイベントは、これまで5年間の下田のワーケーションの集大成の一つ。こんないろいろな人が下田に集まることを当時は想像できなかった。自分自身もさまざまな人との交流を楽しみながら、下田のワーケーションをさらに推し進めたい」と意欲を見せる。

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